システムトレードとは
一定の売買ルールに従って、機械的に売買することであり、過去のデータによって、売買ルールの有効性が証明されているものです。
機械的に売買するためには、どのような銘柄を優先して、どれくらいの金額を売買するかが決まっている必要があります。
なお、システムトレードと自動売買は別物です。
自動売買はコンピューターが自動で発注を行うことを指していますが、システムトレードは売買ルールに合致した銘柄にたいして主導で発注するのが一般的です。
システムトレードの実践方法は3つあります。
1.すでに有効性が確認されている売買ルールを利用する
投資顧問会社等が行っている売買シグナルの配信サービスなど
2.市販のツール(ソフトウェア)を利用する
初期投資が必要で15万円前後する
3.自分で作成したツールや表計算ソフトを利用する
本書では2.を想定しています
システムトレードを始めるうえで必要なのは
1.アイデアの発想
2.アイデアの公式化
3.バックテスト
4.評価
5.フォワードテスト
6.テスト売買(実売買)
本書では様々なパターンでバックテスト、フォワードテストした結果を例示しながら、どのようにしてシステムトレードをしていくのかを解説しています。
システムトレードというものがどういうものなのかが具体的にわかるという点で有意義だと思います。
ただし、本書で紹介しているのは、基本的な概念と、初歩的な使い方、最も簡単な公式化だけであり、著者が組んでいるシステムではないのは承知しておくべきです。
当然ながら、アイデアの発想がシステムトレードの肝であり、ノウハウであります。そこを明かしてしまっては、意味がありません。
そこは各人の知識・経験、試行錯誤に大きくゆだねられています。
2011年2月20日初版発行
目次
第1章 システムトレードの基本
本書におけるシステムトレードの定義
システムトレードの実践方法は3つ
アイデアの検証から売買まで
第2章 自分のアイデアで売買ルールを検証しよう
アイデアは利益の源泉
自己流アイデアの発想法
第3章 バックテストシステムの実践と良いシステムの見分け方
バックテストの準備
シンプルな売買ルールのバックテスト
バックテストの成績を評価する
パラメータの最適化
バックテストを効率的に行うには?
フォワードテストをしよう
第4章 シンプルな3つの売買ルール
様々なタイプの売買ルール
売買ルール1. 逆張り型の売買ルール
売買ルール2. 順張り型の売買ルール
売買ルール3. 押し目買い型の売買ルール
第5章 システムの改良でパフォーマンスをアップ
シグナル数をフィルターにする
株価指数をフィルターにする
個別銘柄のトレンド判定
相性の良い銘柄でトレードするとどうなるか?
第6章 マネーマネジメント(資金管理)の極意
取るべき戦略は資金量で変わる
高利回りの秘訣は優先順位にあり
集中投資と分散投資
単利と複利によるパフォーマンスの違い
分割売買は有効か?
第7章 勝ち続けるための5つの戦略
目的に合わせたシステムを構築しよう
年に数回のチャンスで決めるシステム【逆張り100&順張り100戦略】
買いと売りを組み合わせた安定型の逆張りシステム【逆張り4/4ロングショート戦略】
業種別指数を使ったシンプルな鞘取りシステム【電力株の鞘取り戦略】
日経平均のヘッジで下落相場を克服システム【ブレイクアウト+日経ショート戦略】
値動きの大きい銘柄を待ち受けるシステム【指値待ちデイトレ戦略】
付録 検証ソフトを使ってバックテストを実践しよう
検証ソフト「フリー版 システムトレードの達人」のインストール
検証ソフト使ったバックテストの実践
売買ルール作成の手引き