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SDGs達成の切り札「ESG投資」

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SDGs達成のための強力ツールである”預金”

2018年。日本人が保有している金融資産の総額は1,809兆円。国家予算は97兆7,128憶円なので、約18倍。

この金融資産はSDGsの切り札になる

金融資産は預け先の金庫に眠っているのではなく、銀行や投資先企業や保険会社がそのお金を使って企業や事業に融資や投資してお金に働いてもらっている。銀行は集めた預金を企業に貸し出し、保険会社は世界の株式や債券に運用している。預金はプロの機関を通じて社会のために働いている。

SDGsとどういう関係があるのか?

目先の利益優先で活動する企業や、途上国で労働者を搾取したり、環境破壊を行う企業への投資を控え、SDGsに即した企業に投資をする。

例えば、貧困の解決に役立つとされるフェアトレードチョコを扱っている会社と、通常の安いチョコを扱っている会社。安いチョコの方が儲かるからと、安いチョコの会社に融資や投資が集中すると、フェアトレードは立ち行かなくなる。途上国の貧困問題が解決されない。

例えば、安い輸入材と高い国産材。安いからと言って、途上国の輸入材ばかりを使っていると、森林の乱伐が起きて制定系が破壊され、結果的には木材そのものが手に入らなくなる。持続性が失われるからだ。

だが、銀行や投資家がフェアトレードチョコを扱う会社や、国産材を扱う会社を応援すれば、長い目で見たときには、地域の貢献に役立ち、生活向上にも役立つ。

預ける銀行がどんな融資方針かを知ってから選ぶ。企業に投資する際には、社会性と収益性を同時に達成できそうかを判断基準とする。生命保険も、SDGsの達成に寄与する運用なのかを気にする。

個人の預金がそれほどでもなくとも、多くの人が同じように考え、行動するだけで、きわめて大きなムーブメントを作り出すことができる。1,809兆円のインパクトは大きい。

SDGsとESG投資との関係については「60分でわかる! SDGs 超入門」がコンパクトにまとまって分かりやすい。

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ESG投資とは

投資するなら、いい会社に投資したい。では、いい会社とはなにか?

売り上げや業績、利益などに注視して投資してきたのが、従来の投資の考えである。これらの考えはベースになるが、これに環境、人権、社会への価値などに注視して会社を選んで投資するのがESG投資である。

ESGとはEnviroment(環境)、Social(社会)、Governance(統治の頭文字を合わせたもので、国連が2006年に発表したPRI(Principles for Responsible Investment=責任投資原則)をきっかけとしてESGを重視する投資が世界的に活発となった。

2018年末までにPRIに著名した機関は全世界で2,232ある。日本ではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を始めとして68の機関が著名し、その数はさらに増えている。

GPIFは2020年には運用資産のすべてについてESGを考慮していることを明らかにした。

地球温暖化対策に力を入れている会社、女性社員が活躍する会社などをいい会社と判断して投資すること。もちろん、その前にその会社の業績が良いということが前提である。業績の良い会社の中から、さらに選抜するときに指標に加えるのがESGである。

逆にESGに力を入れていない会社は長期的な成長が望めないとして、投資先から外すということもできる。

こうした考えに基づいて投資を行うことで、持続可能な社会の実現につながっていく。

まずは基本的な投資の考え方を学ぼう

ESG投資を行う前に、そもそも「財務内容」が悪い会社に投資する必要はない。ESG投資は「日財務情報」も考慮する投資であるので、まずは通常の財務情報などに注目する投資方法を学ぶのが良い。

ESG投資は様々な研究から経済的なリターンが大きくなることが証明されている。そして、今やESG投資はメインストリームとなりつつあり、世界の投資残高は約3,375兆円に達している。投資全体に占めるESG投資の割合は、2016年には約25%だったが、わずか2年の2018年の初めには約35.4%まで高まっている。

こうしたことからESGに配慮しない企業は、年々機関投資家から投資対象として選定されなくなっている。金融市場がグルーバル化している中、選定されなくなるということは、市場からの早期退場を意味するようになっている。

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