目次
はじめに
帯にも書かれていますが、「はじめに」でロナルド・ジェームズ・リードという人物を紹介しています。
長年清掃員のパートとして働いた人物ですが、死に際して、残した資産は800万ドルでした。為替レートによりますが、10億円以上の資産を残したということになります。
一方で社会的に成功者であるにもかかわらず、資産を失う者もいます。
こうしたことは、ファイナンスの世界でしか起こりえない逆転劇と筆者は言います。
第1章 おかしな人は誰もいない
── あなたがこれまでに経験してきたことは、世界で起こった出来事の0.000000001%にしか相当しない。しかし、それはあなたの考えの8割を構成している
理論上は、「人々は、それぞれの経済的な目標や投資対象の特徴を加味して投資判断を行っているはずだ」と考えられた。
しかし、実際にはそうではなかった。
分析の結果、人々の生涯にわたる投資判断は、その人が同時代に経験したこと、特に成人して間もない頃の経験に大きく左右されることが明らかになったのである。
サイコロジー・オブ・マネー p28
人の選択は、表計算の様にはいかないということ、しかし、その人にとっては合理的に選択していることを忘れてはいけません。
なぜ人は、経済的な判断をうまくできないか。それは「人類にとって新しい問題だから」でもある。
もちろん、お金は昔からあった。世界初の通貨制度は、紀元前600年にリュディア(現在のトルコ)のアリュアッテス王がつくったとされている。しかし、現代人が判断しなければならない「貯蓄」「投資」といった概念は、赤ん坊のように新しいものなのだ。
サイコロジー・オブ・マネー p35
第2章 運とリスク
── 何事も、見かけほど良くも悪くもない
運で、何が技能で、何がリスクなのかを見極める難しさほど、資産形成の最善策を学ぶときに直面する大きな問題もない
サイコロジー・オブ・マネー p54
第3章 決して満足できない人たち
── お金持ちがとんでもないことをしでかすとき
最善策は、それ以上のリスクを取るのをやめるタイミングを見極め、「もう十分だ」と考える大切さを知ることだ。
サイコロジー・オブ・マネー p72
「足るを知る」ということがいかに難しいかということを実例を交えて教えてくれます。
人の欲望にはキリがありません。
ですが、「足るを知る者は富む」と言いますので、「足るを知る」ことは肝に命ずるべきことです。
第4章 複利の魔法
── ウォーレン・バフェットの純資産の95%以上は、65歳以降に得られたもの
私たちは複利の計算を直感的に理解できない。そのため複利が持つ可能性を無視して、他の方法で問題を解決しようとしてしまう。これは危険なことだ。深く考えようとせず、複利の可能性をすぐに切り捨ててしまう。
サイコロジー・オブ・マネー p84-85
ウォーレン・バフェットがどのような銘柄を保有してきたか、などは意味がありません。
もっとも意味があるのは、ウォーレン・バフェットが、投資を辞めずに、ずーっと投資し続けたということです。
第5章 裕福になること、裕福であり続けること
── 良い投資とは、一貫して失敗しないことである
裕福になる方法は無数にある。そのための本も数え切れないほど出ている。だが、裕福さを保つ方法は1つしかない。それは、倹約と心配性の組み合わせだ。このテーマは十分に議論されていない。
サイコロジー・オブ・マネー p88
富を得たのち、富を保ち続けることがいかに難しいか、様々な実例が示してくれます。
複利は、何年もかけて元手を増やせる場合にのみ効果を発揮する。これは、ナラの木を植えるようなものだ。1年では大した進歩は見られないが、10年経てばかなりの変化が見られる。50年もすれば圧倒されるほどの成長ぶりとなる。
しかし、その途方もない成長を実現するには、必然的に起きる「予測できない浮き沈み」を乗り越えなければならない。
私たちは、バフェットがいかに驚異的な「投資収益率」を達成できたのか、その解明に何年も費やす。どのように値打ちのある企業や、優秀な経営者を見抜いたのか、と。だがそれよりも簡単で、かつ重要なことがある。それはバフェットが何をしなかったかを明らかにすることだ。
バフェットは、投資に熱中するあまり過度の借入をすることはなかった。
14回の不況を経験したが、パニックになって売りに走らなかった。
ビジネス上の評判も落とさなかった。
特定の戦略や世界観、トレンドに固執しなかった。
他人の金にも頼らなかった。
燃え尽きて投資を止めたり引退したりすることもなかった。
バフェットは生き延びた。サバイブしてきた。だから、長期にわたって投資を継続できた。10歳から89歳まで一貫して投資を続けられたからこそ、複利の恩恵を存分に受けられたのである。それが、彼の成功を語るうえでもっとも重要な点なのだ。
サイコロジー・オブ・マネー p94-95
第6章 テールイベントの絶大な力
── 5割の確率で失敗しても、富は築ける
何であれ、莫大な利益を上げたり、特別に有名になったり、巨大な影響力を及ぼしたりするものは、「テールイベント」(数千~数百万分の1の確率で起こる例外的な出来事)の結果だと言える。人々の目は、巨大なもの、儲かっているもの、有名なもの、影響力のあるものに向けられる。つまり、私たちが注目するもののほとんどは、テールイベントの結果なのである。
サイコロジー・オブ・マネー p109
第7章 自由
── お金から得られる最高の配当とは、「時間」をコントロールできるようになること
幸福度の高い人々に見られた一番の共通点は、もっと単純なことだった。キャンベルはこう述べている。
従来の心理学が考察してきた客観的な諸条件のどれよりも、人間に幸福感をもたらす信頼性が高い要因は、「人生を自分でコントロールしている」というはっきりとした感覚があることだ。
サイコロジー・オブ・マネー p127
第8章 高級車に乗る人のパラドックス
── 誰も持ち主には関心を示さない
第9章 本当の富は見えない
── 裕福さの誇示は、富を減らす一番の近道
真の富とは目に見えないものだ。富とは、購入しなかった高級車であり、買わなかったダイヤモンドである。身につけていない時計、着ていない服、乗らなかったファーストクラスの座席である。富とは、目に見えるものに変換されていない金融資産のことなのだ。
サイコロジー・オブ・マネー p145
第10章 貯金の価値
── あなたが唯一コントロールできることが、一番重要なメリットをもたらす
投資のパフォーマンスを年間0・1%上げようとすれば、リサーチのために膨大な手間暇がかかる。リターンを0・1%上げるために、週に80時間も働くプロの投資家もいる。
だがそれよりもはるかに少ない労力で、生活費を2、3%減らすことは可能なのだ。どちらが追い求める価値があるかは容易にわかるだろう。
サイコロジー・オブ・マネー p157
投資ばかりが謳われる昨今ですが、貯金の重要性をしっかりと謳っています。
私たちは少額の貯金をするたびに、誰かに所有されていた自分の未来を少しずつ奪い返しているのだ。
銀行口座に預けているお金は、転職や早期退職など、選択肢というリターンを与えてくれる。このリターンは、計り知れないほど大きなものだ。測定できないので、私たちはその価値を見落としがちになる。
第7章で紹介した「時間をコントロールできる」というのも、目的に縛られずに貯蓄することで得られるメリットだ。
サイコロジー・オブ・マネー p160
第11章 合理的>数理的
── 冷徹な数理的思考より、おおまかな合理的思考がうまくいく
「お金について判断するとき、数学的な計算だけにとらわれてはいけない」という事実は見落とされがちだ。私たちはもっと、たとえ計算上は一番得をする方法ではなくとも、自分が納得のいく「合理的思考」を尊重すべきなのだ。
合理的思考とは、現実的に考えることだ。合理的に考えると、投資を長く続けやすくなる。これは、資産形成において極めて重要なことだ。
サイコロジー・オブ・マネー p166
第12章 サプライズ!
── 歴史とは、未来を予測する地図ではない
「未来は過去と同じようにはならない」と肝に銘じておくことは、金融予測の世界ではあまり評価されていないが、極めて価値の高いことなのである。
サイコロジー・オブ・マネー p188
第13章 誤りの余地
── もっとも重要な計画は、計画通りに進まない可能性を想定した計画である
「誤りの余地」を残しておかなければならない。計画通りに進まないことも想定して、計画を立てなければならないのだ。
サイコロジー・オブ・マネー p201
キツキツの計画を立ててしまうと、ほんの少し予定が狂っただけで、全体が狂ってしまうことがあります。
資産形成においても同様ということです。
誤りの余地を残しておくほど、どんなことにも耐えやすくなる。この耐久力があるからこそ、時間を味方につけ、長期間にわたって勝負を続け、低確率の結果からしか得られない最大の利益を手に入れやすくなるのだ。
最大の利益を手にする機会はめったに起こらない。なぜなら、そもそも発生する頻度が少ないし、複利の効果が生じるには時間がかかるからだ。
サイコロジー・オブ・マネー p205
常に最悪の事態を想定し、最悪の事態を受容できるようにするのが大切ということです。
誤りの余地があれば、起こり得る出来事の想定範囲を広げられる。これは、私たちが直面するもっとも厄介な出来事、「想像もつかないような事態」からも身を守ってくれる。
サイコロジー・オブ・マネー p211
第14章 あなたは変わる
── 長期計画は見かけよりも難しい
心理学では、人は将来の自分を予測するのが苦手だとはっきりと示されている。目標を想像するのは簡単だし、楽しい。だが、実際に目標を達成するには、ライバルとの競争に打ち克たなければならず、大きなストレスにもさらされる。それを前提として、それでも目標に向かうのは、単に夢を持って目標を立てるのとはまったく別物だ。
サイコロジー・オブ・マネー p219
1 極端なファイナンシャルプランは避ける
2 「過去の自分」の囚人になってはいけない
今の自分から見れば別人のような過去の自分が立てた経済的な目標を、無条件に生命維持装置をつけて延命させようとしてはいけない。必要な場合は、思い切って捨て去るべきだ。そうすることで、将来の後悔を最小限に抑えられるようになる。古い計画を捨てて軌道修正するのが早ければ早いほど、複利の恩恵も得やすくなる。
サイコロジー・オブ・マネー p226
第15章 この世に無料のものはない
── 代償を払わずにリターンを得ようとする“泥棒”になってはいけない
価値あるものがすべてそうであるように、投資の成功にも代償が必要だ。しかし、その代賞はお金で支払うものではない。
投資の代償とは、ボラティリティや恐怖、疑念、不確実性、後悔などに耐えることだ。
これらは、実際に投資を始めてリアルタイムでさまざまな問題にぶち当たるまでは、その存在に気づかないものばかりだ。
「投資で成功するには代償が必要である」という認識がないと、タダで何かを手に入れようという心理が働く。それは万引きと同じだ。
サイコロジー・オブ・マネー p230
第16章 市場のゲーム
── 「別のゲーム」をしているプレイヤーから学んではいけない
見落とされがちで、かつ誰にでも当てはまるはずのバブルが起きる理由を1つ提案させてほしい。
それは、「別のゲームをしている他人から、深く考えずに投資のヒントを得ようとする人が多いから」だ。
サイコロジー・オブ・マネー p243
自分の基準をコロコロ変えてはいけないということです。
どんな資産クラスでも、投資をする人によって、目的や時間軸は異なる。そのため、ある人にとっては馬鹿げた価格でも、別の人にとっては意味のある価格になる。人によって、何を重視するかは違うからだ。
サイコロジー・オブ・マネー p244
第17章 悲観主義の誘惑
── 悲観論は楽観論よりも賢く、もっともらしく聞こえる
力強く前進する楽観主義は気にかけられないのに、瞬間的に起こる悲観主義は広く行き渡る。このことは、本書ですでに述べた重要なポイントを裏付けるものだーつまり投資においては、成功の代償(長期的に実現される成長の過程で起こる変動と損失)を見極め、それを支払う意思を持たなければならないのである。
サイコロジー・オブ・マネー p272
第18章 何でも信じてしまうとき
── なぜストーリーは、統計データよりも強力なのか
誰もが、この複雑な現実世界を理解したいと思っている。だから、自分の知らない世界とのギャップを埋めるために、都合よく、独自のストーリーをつくり上げてしまうのだ。
サイコロジー・オブ・マネー p287
第19章 お金の真理
── あなたが本書で学んだこと
第20章 告白
── 私のサイコロジー・オブ・マネー
