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「スタンフォードの自分を変える教室」内容の要約と紹介:ケリー・マクゴニガル

この記事は約28分で読めます。
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帯にはこう書かれている。

一度きりの人生が最高の人生に変わる講義

心理学、脳科学から経済学まで最新の科学的成果を盛り込み、受講者の97%に影響を与えた「奇蹟の授業」

2012年10月31日第1版1刷

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帯の通りかはともかくとして

最新の心理学の成果が集約され、いかに「意志力」を高めるかにフォーカスした本。

方法論が書かれているので、実践することによって、自分を変えることができる、かもしれない。習慣化できるかどうかがポイントでしょう。

何かの折に、すぐに読めるのがよい本だと思う。そのため、スマホ、タブレット、電子書籍リーダーでも読める電子書籍がおススメ。

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Introduction「自分を変える教室」へようこそ

多くの人は知っている

多くの人は「意志力」…注意力や感情、欲望をコントロールする力…が健康や経済的安定や人間関係、仕事の成功まで左右することを実感している。

誰だってわかっている。

それにもかかわらず、たいていの人は自分を「意志力が弱い」と感じている。

本書はスタンフォード大学生涯教育プログラムの公開講座「意志力の科学」を本にしたもの。

講座では、心理学、経済学、神経科学、医学の各分野から自己コントロールに関する最新の見解を取り上げ、いかにして悪い習慣を捨て健康的な習慣を身に着けられるか&物事を先延ばししないようになれるか、などを解き明かす。

そして、意志力を鍛えるための最適な方法を紹介する。

講座が始まって4週間後のアンケートで、97%の受講生が自分自身の行動を以前よりもよく理解できるようになったと感じ、84%の受講生が、授業で学んだ方法のおかげで以前よりも意志力が強くなったと回答している。

本書のターゲット

『やるべきことはよくわかっているはずなのに、なぜいつまでもやらないのか』ということを理解させる本。

自己コントロールを強化する最も良い方法は、どのように、なぜ自制心を失うのかを知ることである。

自分は意志力が強いと思っている人ほど、誘惑を感じた場合に自制心を失いやすいことは研究でわかっている。

自分を知ることは、自己コントロールへの第一歩である。

  1. どういうときに衝動に負けたり、やるべきことを先延ばしにしたりするのか
  2. 失敗の原因は何なのか
  3. 重大な間違いはどこにあり、なぜそんな間違いを犯してしまうのか

本書の使い方

「科学者」として自分を観察する。

理論がいくら優れていようと、事実(データ)に勝るものはない

本書を読みながら実験を行うこと

生活の中で自分を研究対象として、実験をしてみよう!

各章には意志力の科学者になるための2種類の課題が用意されている

  1. マイクロスコープ(顕微鏡)…顕微鏡をのぞく科学者のように好奇心でいっぱいの観察者になろう
  2. 意志力の実験…自己コントロールを強化するための実践的な戦略

本書は10週間の講座

10習慣の講座に従って、10章にわかれている。

各章では重要なポイントを1つ取り上げ、その科学的な根拠を説明し、それをどうやって目標の達成に役立てるかについて説明している。

いっぺんにたくさんの方法を試すのはやめよう!

何か変化を起こしたいときや目標を達成したいときは、本書の10週間トレーニングを利用すること。

第1章 やる力、やらない力、望む力

3つの力

  • 「やらない力」:誘惑にノーという力。
  • 「やる力」:面倒でもやるべきことをやる力
  • 「望む力」:肝心な時に大事なモチベーションを思い出す力。

意志力=3つの力を駆使して目標を達成する力のこと

これを鍛える

前頭前皮質があなたをコントロールする

意志力は、大昔人間たちが仲間とうまく付き合い、親やパートナーとしてやっていくために、必要に迫られて身に着けた能力。

それは前頭前皮質に秘密がある。

前頭前皮質の主な役割は体の動きをコントロールすることであった。

進化に伴って前頭前皮質は大きくなっていき、脳のほかの領域との連携もよくなった。

新しいコントロールの機能として、注意を払うべきことと、考えること、感じることまでもコントロールする機能が加わった。

スタンフォード大学の神経生理学者ロバート・サポルスキーは、現在の前頭前皮質の主な役割は、やるべきことをやるように仕向けることだといっている

脳は1つしかないが、心は2つある

1つの心は、衝動のままに行動して目先の欲求を満たそうとする

もう1つの心は、衝動を抑えて欲求の充足を先延ばしにして長期的な目標に従って行動する

意志力の問題とは、このこと

もう一人の自分に名前を付ける

意志力の問題は2つの自己のせめぎあいから始まる。

衝動的な自分にあだ名を付けるのが効果的だという人もいる。

第1のルール「汝を知れ」

心理学者なら知っていることだが、私たちはほとんどの選択を無意識に行っており、なぜそうするのかという理由などろくに認識してもいなければ、どういう結果を招くなども考えもしない。

スタンフォード大学の経営学部教授ババ・シヴによると、人は気が散っているときほど誘惑に負けやすい

誰かの電話番号を思い出そうとしながらデザートを選んでいる学生は、フルーツよりもチョコレートケーキを選ぶ確率が50%も高くなっている。

考えごとで頭がいっぱいになっていると、長期的な目的を忘れ、衝動的な選択をしてしまう。

1日でよいので、その日に行った選択を振り返ってみると、自分の選択を振り返って意識することで、いい加減な選択の数が減っていく

意志力は確実にアップする

脳の灰色質を鍛える

この10年で神経科学者が発見したところによると、脳は経験したことを見事に身に着ける

毎日数学をやれば数学に強い脳になり、心配事ばかりしていれば心配しやすい脳になる。繰り返し集中すれば、集中しやすい脳になる。

脳を鍛えることによって、自己コントロールを強化できるという科学的な証拠が増えてきている

「瞑想」が有効

注意力、集中力、ストレス管理、衝動の抑制、自己認識といった自己コントロールのさまざまなスキルが向上する

5分

  1. 動かずにじっと座る ただ、じっと座る
  2. 呼吸に意識を集中する「吸って」「吐いて」
  3. 呼吸しているとこの感覚をつかみ、気が散り始めたら意識する

数分たったら、「吸って」「吐いて」をいうのをやめ、呼吸しているときの感覚だけに集中してみる

第2章 意志力の本能

副題

『あなたの体はチーズケーキを拒むようにできている』

生理学的にも

科学の発展によって、自己コントロールは心理学のみならず生理学にもかかわる問題であることがわかってきている。

自制心を発揮するとは、心と体の両面において衝動を克服する強さと落ち着きが生まれている状態である。

トレーニングを積めば肝心な時に自分の体を自制心を発揮できる状態に切り替えられることがわかってきている。

闘争・逃走本能

闘争・逃走本能はエネルギー管理本能ともいえる。

限られた身体的、精神的エネルギーをどのように使うべきかを決定する。

やりたくないことをしてしまう

ひと呼吸おいて考える。

闘争・逃走本能のようにすぐに行動に出るのではなく、落ち着くこと。

休止・計画反応が、まさにそれで、内なる葛藤を認識することによって、衝動を抑えようとする。

休止・計画反応も闘争・逃走反応同様に脳で起きる。

自己監視システムの範囲は、脳の隅々までおよび、愚かな間違いをしないように見張っている。

心拍変動

休止・計画反応は心拍変動におって測定できる。

これによって体がストレス状態なのか、穏やかな状態なのかがわかる。

心拍変動は意志力の指標として優れているため、誰が誘惑に勝てそうか、負けそうかがわかる。

研究によると、心拍変動の高い人は、気が散るものを無視したり、欲求の充足を遅らせたり、ストレスの多い状況に対処するのが上手であることとがわかっている。

そのような人たちは、難しい課題に取り組んだ場合、最初のうちはうまくいかなくても、課題を投げ出さない可能性が高いことがわかってきた。

心理学者たちは心拍変動を意志力の体内「保有量」と呼ぶようになった

意志力の保有量は様々な要素が影響している

  • 食べるもの
  • 住むところ

心や体にストレスを与えるものは何であれ、自己コントロールの生理機能をさまたげ、意志力を損なう

体内保有量を増やす方法

  • エクササイズをおこなう
  • 睡眠をたっぷりとる
  • 体に良い食事をする
  • 友人や家族とかけがえのない時間を過ごす
  • 信仰やスピリチュアル関係の集まりに参加する

意志力をてきめんに高める方法

呼吸のペースを1分間に4回から6回まで抑えること=10秒から15秒でひと呼吸をする

呼吸のペースを遅くすると、前頭前皮質が活性化し、心拍変動が上昇する

このテクニックを数分間試すうちに、気分が落ち着いてコントロールが効くようになり、欲求や問題に対処する余裕が生まれるようになる

ゆっくりと完全に息を吐くことに意識を集中する

息を完全に吐くと、たっぷり息を吸うのが楽になる

呼吸のペースは1分間当たり4回まで減らせなくても構わない

呼吸の数が1分間に12回以下になれば、心拍変動は確実に上昇する

この練習を定期的に行うと、ストレスに強くなり、意志力の保有量も増えることが研究でわかっている

費用対効果の高い方法

費用対効果の高い方法は2つある

どちらもお金はかからないのに、効果はてきめん

憂鬱や不安、慢性の痛み、循環器系の病気や糖尿病など、意志力の妨げにある症状を改善する

1.エクササイズ

ストレス解消に最も効果的だったのは、5分間のエクササイズ

家の周りを5分間歩くだけでよい

科学者の言う「グリーン・エクササイズ」を5分間行うだけ

2.眠る

睡眠時間が6時間未満の人は、睡眠不足が慢性化し、ストレスや欲求や誘惑に負けやすくなるかも

ちゃんと睡眠をとると、前頭前皮質のどこにも障害は見られなくなる。

いくつもの研究によって、一晩眠っただけでも脳の機能は最適な水準まで回復することがわかっている

つまり、週末たっぷり眠れば、意志力は再びみなぎる

また、週の前半にしっかりと睡眠をとっておけば、後半に寝不足になっても大丈夫

リラクゼーション

意志力をアップさせるリラクゼーション=心身が本当に休まている状態

  • あおむけに寝て、膝の下に枕を入れ、足の方を少し高くする
  • 目を閉じ、何度か深呼吸をして、おなかを膨らませたりへこませたりする
  • どこか凝っている個所があれば、もんだり触ったりしてから手を放す
  • そしてそのまま5~10分はそのままでいよう
  • 何もせず、ただ呼吸することを楽しむ

ストレスは一瞬でやる気を奪う

闘争・逃走反応では、エネルギーはすべて体に向けられ、脳の領域からエネルギーを奪う

一方で、休止・計画反応では、エネルギーを脳に送り込む

ストレス状態になると、人は目先の短期的な目標と結果しか目に入らなくなってしまう

自制心が発揮されれば、大局的に物事を考えることができる

第3章 疲れていると抵抗できない

気がかりな研究結果

自己コントロールの科学によって明かされたもの

それは、意志力を使っているうちに「使い果たしてしまう」ということ

現代生活は自制心を要することばかり
つまり、意志力など簡単に使い果たしてしまう

自制心が最も強いのは朝で、その後は時間の経過とともに衰えてしまう

自制心は筋肉のように鍛えられる

フロリダ州立大学の心理学者ロイ・バウマイスターがたどりついた興味深い仮説=自制心は筋肉に似ている

筋肉は使えば疲労する

筋肉を休めなければ、体を極限まで酷使したアスリートのように体力使い果たす

実験によって「意志力は限られた資源である」という考えが支持されてきている

したがって、意志力は使うたびに減っていくので、自制心を発揮し続けていれば、いずれコントロールが利かなくなる恐れがある

自分の意志力の変化を観察する

自分のパターンを知ることで、スケジュールをうまく立てられるようになる

意志力が弱くなるタイミングをつかんでおけば、誘惑に負けそうになるのを未然に防げる

自己コントロールを回復させるもの

脳には自己コントロール筋の様なものがある

意志力を使うたび、脳の自己コントロールのシステムの活動は鈍くなっていく

心理学者マシュー・ゲイリオットは脳が疲弊するのはエネルギーの問題ではないかと考えた

血糖値が低いと意志力に問題が生じることがわかった

では、自己コントロールを行うために、必要なエネルギーの補給はどれくらいなのか?

ペンシルバニア大学の心理学者ロバート・カーズバンによると、必要なエネルギーは1分につき、ブレスミント<チックタック>の一粒の半分にも満たないという

脳はエネルギーをお金のように使う

脳にはつねにほんの少ししかエネルギーは蓄えられていない

大部分は血液の中に入って体中をめぐっているグルコースに頼っている

脳は利用可能なエネルギーの有無を監視している

エネルギー量が減ると、エネルギーの使用を差し止め、すべて溜め込もうとする

最初に削減されるのが、自己コントロール

研究によれば、現代人も空腹のときは危険を冒す傾向がある。

意志力筋を鍛える

普段は特にコントロールしないようなささいなことをコントロールしてもらうようにする

継続的に行うことで、意志力が全般的に強くなる結果が出ている

  1. やらない力を強化する 汚い言葉を使わない、ドアを開けるときに効き手を使わない など
  2. やる力を強化する 5分間の瞑想を行う など
  3. 自己監視を強化する 普段は注意を払っていないようなことについて、きちんと記録をつけてみる

限界を感じるのは脳にダマされている

意志力の限界は越えられる

実際には余力があるのに、意志力の限界を感じる

脳はエネルギー消費量の多い前頭前皮質の活動にブレーキをかける

「望む力」が限界を引き延ばす=意志力が弱まっていると感じたら、自分の望む力を利用する

  1. このチャレンジに成功したら、あなたにはどんないいことがあるか?
  2. このチャレンジに成功したら、あなたのほかに誰の利益になるか?
  3. このチャレンジは、今は大変に思えても、がんばって続けていればだんだん楽になっていくと想像してみよう

第4章 罪のライセンス

わざと誘惑に負ける

  • 目標に向かって前進したせいで、逆にモチベーションが下がることがあるのはなぜか
  • 楽観主義のせいで堂々とサボってしまうのはなぜか
  • いいことをしたと思っているときほど悪いことをしてしまうのはなぜか

自分自身をどうやって甘やかしているかを理解することで、目標への道から外れないようにする方法を発見できる

人は間違った衝動を信用する

心理学者のブノワ・モナンデイル・ミラーによる研究

人はいったん意見を表明したら、その後もその意見に従って行動するものだと思い込んでいた

誰だって自分のことを偽善者のように思いたくないに決まっている

だが、善悪の問題に関しては、たいていの人は道徳的に完全でありたいとなどとは思っていないが、少し良いことをすると、今度は自分の好きなように行動してもよいと思ってしまう

何か良いことをすると、いい気分になり、自分の衝動を信用しがちになる

多くの場合、悪いことをやっても構わないと思ってしまう

モラル・ライジング

モラル・ライジングのせいで悪いことをしてしまうだけでない。良いことをするように求められたとき、責任逃れをしようとする。

寄付金の依頼を受けたとき、以前に気前よく寄付をしたことを思い出した人は、過去のそのような行いを思い出さなかった人に比べて、寄付した額が6割も低い

意志力の問題とは善と悪の戦いに他ならない

モラル化するものは何であれ、モラル・ライジングの格好の餌食になる

しようと考えただけで、した気になってしまう

ただ良いことをした「気」になっただけで、自分は良い人間だと思ってしまう

これは、モラル論法を研究する心理学者はよく知っていること

また、モラル・ライジングの最も悪いところは、論理的に筋が通っていないことだけでなく、そのせいで自分にとって本当にためになることとは正反対のことをしてしまう

自分に害を及ぼすような行為(ダイエットをやめたり、浪費したり、禁煙を破ったり)をご褒美だと思い込んでしまう

シカゴ大学ビジネススクールのアイェレット・フィッシュバッハとイェール大学マネジメントスクールのラヴィ・ダール

人は目標に向かって前進すると、逆に目標から遠ざかるような行動をしたがる研究結果を示した

頑張って進歩したのは良いが、そのせいで気が緩み、相反する自己のせめぎあいが始まってしま

つまり、一歩前進して二歩下がる

やることリスト

やることリストも、作成したら、ものすごく達成感があって、今日の仕事はおしまいだと思うことはある

あたかも目標に向かって前進したかのように満足してしまう

自分が進歩したのは目標に向かって真摯に努力した証だと認識しなければならない

「あなたは目標を達成するために、どのくらい真剣に努力していますか」と聞かれると、目標の達成をさまたげるような行動をしたくなったりしない

「なぜ」自分は頑張っているのか、理由を考えてみよう

失敗しやすい人

意志が強いと思っている人ほど失敗する

そして、あとで挽回できると思ってしまうと、自分に甘い選択をしても気がとがめなくなってしまう

人は明日はもっとできると考える習性がある

行動経済学者のハワード・ラクリンによると、ある行動を変えたい場合、行動自体を変えるのではなく、日によってばらつきが出ないように注意する

第5章 脳が大きなウソをつく

発見

1953年、モントリオールのマギル大学のジェームズ・オールズピーター・ミルナーが実験で偶然見つけたのが、刺激を受けると強烈な快感が生まれる脳の部位のようだった

だが、実は「欲求」を感じる場所であった

脳は私たちを正しい方向へ導いてくれるとは期待できない

人の場合

人にも同じように電気ショックを与えると、同じように自己刺激を与えるようになる

もう少しで、満足感が得られそうな気がしながら、最後まで満足は得られなかった

オールズミルナーが発見したのは「報酬システム(報酬系)」と呼んでいる部位だった

刺激を与えていた場所は、脳の中でももっとも原始的なモチベーションのシステムで、行動と消費を促進するために発達したものだった

このような刺激は、周りに多い

つまり、「やらない力」を発揮するのは極めて難しい

ドーパミンは幸福感をもたらさない

明らかなこと。それは、ドーパミン放出効果によって、好ましさや満足や喜びなどは感じられないということである

複数の実験がある

脳のドーパミン系を完全に破壊されても、ラットは砂糖を与えられれば大喜びする

だが、ご褒美欲しさには行動しなくなった

つまり、砂糖は好きだが、もらう前から欲しがることはしなくなった

2001年、スタンフォード大学の神経科学者ブライアン・クヌットソン

ドーパミンには報酬を期待させる作用があるが、報酬を得たという実感はもたらさない

やる力をドーパミンに結び付ける

先のばしていることがあるなら、ドーパミン神経細胞を活性化させるものとうまく結び付けて、やる気を起こそう

快感の誘惑に負けてみる

楽しい気分になれるはずなのに、なぜか満足感が得られないことを、あえてやってみよう

ショッピング、テレビ、ネットでの暇つぶしなど

実際にやってみて、期待していた通りに楽しいと思ったか?

第6章 どうにでもなれ

落ち込んだ時の気晴らし

落ち込んだ時の気晴らし

米国心理学会によれば、一般的なストレス解消法は、食べたり飲んだりする、ショッピング、テレビ、など脳の報酬システムを活性化させるもの

しかし、一般的なストレス解消法は、ほとんど「効果がない」

ストレスによる意志力の挫折を防ぐには、誘惑に負けることなく気分転換できる方法を見つける必要がある

大半のストレス解消法は意味がない

落ち込んでいると、誘惑に負けやすくなる

科学者が様々な方法を考案して被験者にストレスを与えたがが、結果はいつも同じだった

ストレスを感じると欲求が生まれる理由、それは脳によるレスキュー作戦である

脳は、生命を守るだけでなく、気分も安定させようとする⇒ストレスを感じると、気が晴れるようなことをさせようとする

根拠のある方法を実行する

効果のあるストレス解消法

  • エクササイズやスポーツをする
  • 礼拝に出席する
  • 読書や音楽を楽しむ
  • 家族や友達と過ごす
  • マッサージを受ける
  • 外に出て散歩する
  • 瞑想やヨガを行う
  • クリエイティブな趣味の時間を過ごす

効果のあるストレス解消法は、ドーパミンを放出して報酬を期待させるのではなく、セロトニンやγアミノ酪酸などの気分を高揚させる脳内化学物質や、オキシトシンなどの気分を良くするホルモンを活性化させる

ドーパミンの放出とは違って、興奮しないので、どんなに気分が良くなったかはっきりとは気づかないことが多い

どうにでもなれ効果

意志力にとって最大の脅威の一つ「どうにでもなれ効果」

誘惑に負けたことで自己嫌悪に陥ってしまい、気晴らしに何かをしたくなる

ちょっとつまづいたからといって、大きな失敗につながると決まっているわけではない

危険なのは、最初につまづいた時に自分を恥じたり、後ろめたく思ったり、自制心をなくしたり、希望をなくしたりすること

悪循環にはまってしまうと、逃げられず、転げ落ちていくしかないような気がするかもしれない

すると、またしても自分を責め、またしても誘惑に負けてしまう

なぐさめの言葉で「どうにでもなれ効果」が緩和される

自分を許すことで、どうにでもなれ効果の悪循環を断ち切れる

意志力を強化するには、自分に厳しくしても意味がない

数々の研究

自己批判はつねにモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招く

一方で、自分への思いやりは、やる気の向上や自制心の強化につながる

・自分を励まし、自分に優しくする

また、罪悪感を抱くよりも、自分を許す方が責任感が増す

自分を許すことで、恥の意識や苦しみに苛まれることなく、事実をありのままに見つめられるようになる

第7章 将来を売りとばす

目先の欲求に負けてしまうわけ

それは将来についてどう考えるかということ

だが、未来を予想できることより、はっきりと予想できないことに問題がある。

人は報酬を得るために長く待たなければならないほど、その報酬の価値が下がる

経済学者は「遅延による価値割引」と呼ぶ

将来を犠牲にしようとするとき、何を考え、どういう風に感じているのだろうか

さらに、すぐに手に入る報酬が目の前にある場合、気持ちがコロッと変わる

これを、経済学者は「限定合理性」と呼ぶ

つまり、私たちの合理性には限界があるということ

目の前に欲しいものが現れてしまうと、短期的な目先の報酬に心を奪われ、欲しくてたまらなくなってしまう

目に入るから報酬システムが作動する

目先の報酬は昔ながらの原始的な報酬システムに働きかけ、ドーパミンによって欲求が生まれる
この報酬システムは、将来の報酬にはほとんど反応をしめさない

しかし、誘惑が付け入る機会は限られている

報酬がすぐに手に入らなければならないので、目の前で実際に報酬を見る必要がある。もしくは10分待つ

神経科学者によれば、たったそれだけで報酬に対する脳の受け止め方が変わる

割引き率

将来の報酬を割り引いて考えるとしても、その割引率は人によって異なる

「マシュマロ・テスト」という古典的な心理実験がある。

4歳の子供たちにマシュマロをすぐに1個貰うか、15分待って2個貰うかを選ばせる。

その説明の後、担当者はマシュマロ1個を残して部屋を出ていく。

担当者が戻るまで待っていられたら、2つ貰える。

この実験は、子供の将来を予見する方法として非常に優れていることが分かった

どれくらい待てたかが、将来の学業成績や社会的な成功を物語っていたからである

不愉快なことを我慢して、長期的な目標を達成することができるかどうかが分かったのだ

背水の陣

逃げ道をなくしておくのも一つの手段

  1. 決めたことを実行するために手を打っておく
  2. 望んでいることと逆のことをやりにくい状況を作る
  3. 自分いモチベーションを与える

将来の自分とのつながりを知る

  1. 未来の記憶を作る(=将来について想像することは欲求の充足を遅らせることに役立つ。ただ将来のことを考えるだけで効果がある)
  2. 将来の自分にメッセージを送る(=そのような手紙を書こうかと考えてみるだけで、将来の自分とのつながりが強くなったように感じる)
  3. 将来の自分を想像してみる(=将来の自分を想像することで、現在の自分の意志力が強くなる)

第8章 感染した!

自己コントロールは感染する

肥満は感染する

  • 1990年 肥満率15%以上の州はひとつもなかった
  • 1999年 肥満率20~24%の州は18あったが、25%以上の州はなかった
  • 2009年 肥満率20%を下回ったのはたった1州

「肥満の感染」と呼ばれた

「フラミンガム心臓研究」…肥満は家族や友人の間で感染していた

  • 友人が肥満になった場合、将来肥満になるリスクは171%増加
  • 姉妹が肥満になった場合、本人が肥満になるリスクは67%増加
  • 兄弟が肥満になった場合、本人が肥満になるリスクは45%増加

こうした感染は肥満だけでなく、飲酒にもみられた

一方で、自己コントルールが感染する証拠も見つかった

ひとりが禁煙すると、友人や家族も禁煙する確率が高くなった

他人の欲求を自分の欲求のように感じる

人の社会脳

  1. 無意識にまねをする(=まねをすることで、相手を理解しやすくなり、つながっている感じや親近感がわく。しかし、誰かがスナック菓子を食べていたら、自分もまねをしてしまい、意志力を失ってしまうかも)
  2. 感情に感染する(=いやな気分に感染すると、気晴らしのために買い物をしまくったりしてしまうかも)
  3. 誰かが誘惑に負けるのを見ると、誘惑に反応してしまう

鉄の意志を持つ人のことを考える

自制心の強い人のことを考えると、自分自身の意志力も強くなることが研究によって明らかにされている

いろんなパターン

  • 好きな人から感染する
  • 仲間をまねしたい
  • 努力するのを「ふつう」にする … 同じ目標を目指す仲間に囲まれていれば、努力するのが普通に思えてくる
  • 恥の効果」は絶大
  • 落ち込んでいるときは誘惑に負けやすい
  • プライドが意志力の保有量を増やす
  • 「認められたい力」を作動させる

第9章 この章は読まないで 第10章 おわりに

シロクマのことを考えてはいけない

といわれると、つい考えてしまう。

どんなことであれ、考えてはいけないと思うほど、かえって頭から離れなくなる

不安や憂鬱、ダイエット、依存症に関する最新の研究でも明らかになっている

頭の中で考えることや感じることに対しては「やらない力」はまったく効果を発揮しない

自己コントロールを手放すことも含む新しい定義が必要がある

こうしたジレンマに対応するには、皮肉な方法がある。それは、「あきらめる」こと

好ましくない考えや感情をコントロールしようとするのをやめれば、そういった思考や感情に振り回されなくなる

この方法は、望ましくない内的体験に向かい合う場合にも役に立つ

浮かんでくる考えを押さえつけず、感じるがままにかんじようと腹をくくることは、不安や憂鬱、依存症などに対処するのにも効果的な方法

目次

Introduction「自分を変える教室」へようこそ
――意志力を磨けば、人生が変わる
 科学と実践から導き出された見解
 「自分はどう失敗するのか」を知る
 本書の使い方―「科学者」として自分を観察する
 1つの章からは1つの戦略のみ実行する
 最初の課題
  【マイクロスコープ】 あなたの「チャレンジ」を選んでください
第1章 やる力、やらない力、望む力
――潜在能力を引き出す3つの力
 本能に流されずに生き抜く
 出世も勉強も寿命も「意志力」が決める
 前頭前皮質があなたをコントロールする
  【マイクロスコープ】 できない理由を特定する
 脳は1つでも「自分」は2人いる
  【マイクロスコープ】 もうひとりの自分に名前を付ける
 本能を目標達成に利用する
 第1のルール「汝を知れ」
  【意志力の実践】 「選択した瞬間」を振り返る
 失敗する瞬間に気付く
 脳の灰白質を増強する
  【意志力の実践】 5分で脳の力を最大限に引き出す
 自分を何度も目標に引き戻す
第2章 意志力の本能
――あなたの体はチーズケーキを拒むようにできている
 体が勝手に「衝動的」になる
 こうしてあなたは誘惑に負ける
  【マイクロスコープ】 なぜ「やりたくないこと」をしてしまうのか?
 ひと呼吸おいて考える本能
 「自己監視システム」が脳にエネルギーを集める
 意志の強さは「心拍変動」で変わる
 食べ物で「意志力の保有量」が変わる
  【意志力の実験】 呼吸を遅らせれば自制心を発揮できる
 「運動」すれば脳が大きくなる
 この2つを「しなければ」意志力が上がる
  【意志力の実験】 グリーン・エクササイズで意志力を満タンにする
 「6時間未満の睡眠」が脳を弱くする
  【意志力の実験 眠りましょう
 「する」が失敗したら「しない」を決める
  【意志力の実験】 体にリラクゼーション反応を起こす
 ストレスは「一瞬」でやる気を奪う
  【マイクロスコープ】 ストレスでいかに自制心が落ちるかを試す
第3章 疲れていると抵抗できない
――自制心が筋肉に似ている理由
 自制心は筋肉のように鍛えられる
  【マイクロスコープ】 意志力の増減を観察する
 「大事なこと」をやる時間帯を変える
 甘いものが「自己コントロール」を回復させる
 「1分間の自制」の消費エネルギーはミント半分以下
 脳はエネルギーをお金のように使う
 腹が減っていると危険を冒してしまう
  【意志力の実験】 お菓子の代わりにナッツを食べる
 「意志力筋」を鍛える
 「難しい方を選ぶ」ことを繰り返す
  【意志力の実験】 目標に関係のある強化法をやってみる
 限界を感じるのは脳にダマされているだけ
 「意志力の限界」は越えられる
  【マイクロスコープ】 疲労感を気にしない
 「望む力」が限界を引き延ばす
  【意志力の実験】 「望む力」をつくりだす
第4章 罪のライセンス
――よいことをすると悪いことをしたくなる
 人は「まちがった衝動」を信用する
 「モラル・ライセンシング」が判断を狂わせる
 しようと考えただけで、した気になってしまう
 人は正しいことは「したくない」と感じる
  【マイクロスコープ】 自分の「言い訳」を知る
 脳が勝手に「やるべき目標」を切り替える
 「やるべきリスト」がやる気を奪う
  【意志力の実験】 「なぜ」を考えれば姿勢が変わる
 サラダを見るとジャンクフードを食べてしまう
 「意志力が強い」と思っている人ほど失敗する
  【マイクロスコープ】 「あとで取り返せる」と思っていませんか?
 人には「明日はもっとできる」と考える習性がある
  【意志力の実験】  「明日も同じ行動をする」と考える
 後光効果が「罪」を「美徳」い見せかける
 意志を骨抜きにする「魔法の言葉」
  【マイクロスコープ】 誘惑の「キーワード」を見つける
 エコ活動が罪悪感を鈍らせる
 罰則を作ればルール破りが増える?
第5章 脳が大きなウソをつく
――欲求を幸せと勘ちがいする理由
 人が刺激を「やめられない」脳の部位
 快感の「予感」が行動を狂わせる
 ドーパミンは「幸福感」をもたらさない
 「携帯ドーパミン装置」が生活を埋め尽くしている
  【マイクロスコープ】 ドーパミンの引き金を探す
 目新しいものほど「報酬システム」を刺激する
 本能を操作・誘導する人たち
 ドーパミンを刺激する「戦略」を見抜く
  【マイクロスコープ】 心を動かすものの正体を暴く
 退屈な作業を「ドーパミン化」する
  【意志力の実験】  「やる力」とドーパミンを結びつける
 「欲しいもの」は反射的に不安を生み出す
  【マイクロスコープ】 欲望のストレスを観察する
 脳内物質に操られて破滅的な行動をし続ける
  【意志力の実験】  快感の誘惑に負けてみる
 欲望がなくなった人間はどうなるのか?
 ほんとうの報酬とまやかしの報酬を見分ける
第6章 どうにでもなれ
――気分の落ち込みが挫折につながる
 大半の「ストレス解消法」は意味がない
  【意志力の実験】  根拠のある方法を実行する
 死亡事故を見たらロレックスが欲しくなる
 タバコの警告表示はなぜ「逆効果」なのか?
  【マイクロスコープ】 「あなたが恐れていること」は何ですか?
 ニュースをやめたら夜食が減った
 「どうにでもなれ効果」―一度失敗するともっとダメになりたくなる
  【マイクロスコープ】 つまずいたとき自分に「何」を言っていますか?
 なぐさめの言葉で「どうにでもなれ効果」が緩和される
 自分に厳しくしても意志力は強くならない
  【意志力の実験】  失敗した自分を許す
 「変わろうと思う」だけで満足してしまう
 「いつわりの希望シンドローム」が起こす快楽
  【マイクロスコープ】 「決心するだけ」を楽しんでいませんか?
  【意志力の実験】  決意を持続させるためのシミュレーション
第7章 将来を売りとばす
――手軽な快楽の経済学
 「すぐに」手に入れないと気が済まない
  【マイクロスコープ】 将来の報酬の価値を低く見ていませんか?
 「5年後の成果」など脳は望んでいない
 目に入るから「報酬システム」が作動する
  【意志力の実験】  「10分待つ」と何かが起こるか?
 10分ルールでタバコを減らす
 「割引率」が10年後の成功を決める
  【意志力の実験】  割引率を下げる
 「将来の報酬」を自分に意識させる
 背水の陣で「もうひとりの自分」と戦う
  【意志力の実験】  逃げ道をなくす
 「あなた2.0」に会う
 つねに「将来の自分」を過大評価している
  【マイクロスコープ】 「万能の自分」を待っていませんか?
 2カ月後の約束なら「より多く」を引き出せる
 「将来の自分とのつながり」を知るテスト
 バーチャル体験で貯金が増える
  【意志力の実験】 未来に行って「将来の自分」に会う
第8章 感染した!
――意志力はうつる
 肥満はこうして感染する
  【マイクロスコープ】 あなたの「感染源」を発見する
 「他人の欲求」を自分の欲求のように感じる
 脳は「目にした失敗」をまねたがる
  【マイクロスコープ】 誰の「まね」をしていますか?
 「目標感染」が起こる条件とは?
  【意志力の実験】  意志力の「免疫システム」を強化する
 ルール違反の「「形跡」が自制心を低下させる
  【意志力の実験】  「鉄の意思を持つ人」のことを考える
 「好きな人」から感染する
  【マイクロスコープ】 誰の影響を最も受けていますか?
 「ろくでなしの仲間」にはなりたくない
 よいことをするより仲間をまねたい
  【マイクロスコープ】 努力するのを「ふつう」にする
 「恥の効果」を利用する
 落ち込んでいるときは誘惑に負けやすい
 プライドが意志力の「保有量」を増やす
  【意志力の実験】 「認められたい力」を作動させる
 「最後の授業」で言い渡した課題
第9章 この章は読まないで
――「やらない力」の限界
 好印象を狙うほど不愉快なことを口走る
 思考の「モニター機能」が破滅を導く
 頭に浮かぶことは真実だと思い込む
  【マイクロスコープ】 「皮肉なリバウンド効果」を検証する
 コントロールしなければコントロールできる
 「考えな」と言われたことを「実行」してしまう
 ダイエットは体重を「増やす」行動
  【マイクロスコープ】 自分に何を禁じていますか?
 「思考」を押さえつけず「行動」だけ自制する
  【意志力の実験】 欲求を受け入れる―ただし、従わないで
 「禁止」を「実行」に変えればうまくいく
  【意志力の実験】 「やらない力」を「やる力」に変える
 「衝動」を観察して自制心を強化する
  【意志力の実験】 「欲求の波」を乗り越える
 意志力に最も大切な3つのこと
第10章 おわりに
――自分自身をじっと見つめる

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