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「世界のエリートがやっている最高の休息法」内容の要約と紹介:久賀谷亮

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  1. マインドフルネスの入門書
  2. まずはこれだけ!脳の疲労を解消する7つの休息法
    1. 1.マインドフルネス呼吸法(とにかく脳が疲れているとき)
    2. 2.ムーブメント瞑想(気づくと考え事をしているとき)
    3. 3.ブリージング・スペース(ストレスで体調がすぐれないとき)
    4. 4.モンキーマインド解消法(思考のループから脱したいとき)
    5. 5.RAIN(怒りや衝動に流されそうなとき)
    6. 6.やさしさのメッタ(他人へのマイナス感情があるとき)
    7. 7.ボディスキャン(身体に違和感・痛みがあるとき)
  3. マインドフル・モーメント「最高の休息法」の物語
    1. Lecture 0 先端脳科学が注目する「脳の休め方」
    2. Lecture 1 「疲れない心」を科学的につくるには? 脳科学と瞑想のあいだ
    3. Lecture 2 「疲れやすい人」の脳の習慣 「いま」から目をそらさない
    4. Lecture 3 「自動操縦」が脳を疲弊させる 集中力を高める方法
    5. Lecture 4 脳を洗浄する「睡眠」×「瞑想」 やさしさのメッタ
    6. Lecture 5 扁桃体は抑えつけるな! 疲れを溜め込まない「不安解消法」
    7. Lecture 6 さよなら、モンキーマインド こうして雑念は消える
    8. Lecture 7 「怒りと疲れ」の意外な関係性 「緊急モード」の脳科学
    9. Lecture 8 レジリエンスの脳科学 瞑想が「折れない心」をつくる
    10. Lecture 9 脳から身体を治す 副交感神経トレーニング
    11. Lecture 10 脳には脳の休め方がある 人と組織に必要な「やさしさ」

マインドフルネスの入門書

マインドフルネスの入門書です。

具体的な実践方法と期待できる効果を紹介しており、その根拠も書かれています。

本書は、前半の途中から物語風で書かれていますので、マインドフルネスの取っ掛かりとして丁度いい内容だと感じました。

現代は脳を酷使している時代ですが、脳の休め方を教わることなく過ごしてきています。

その脳には休め方があります。

アメリカの精神医療は大きく変わりつつあり、脳を1つの臓器として扱い、ダイレクトに治療しようとする脳科学アプローチが発展してきています。

先端脳科学の成果から、TMS磁気治療や、瞑想などの第3世代認知行動療法が生まれていますが、本書では後者の瞑想などの第3世代認知行動療法を扱っています。

脳は体重の2%程度しかないにもかかわらず、全エネルギーの20%を消費します。そして、この20%のうち、脳が意識的な活動をしていないデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が60~80%を占めていると言われています。

つまり、ぼーっとしていても、DMNが過剰に働く限り、脳はどんどん疲れていくのです。DMNの活動を抑える脳構造を作らないと、真の休息は訪れないということになるわけです。

「脳の休息法」を手に入れることこそが、集中力やパフォーマンスを高める最短ルートになる。その休息法が「マインドフルネス」です。

アカデミズムでもマインドフルネスの脳科学的な裏付けは進んでいます。「科学的に正しい脳の休ませ方」のエビデンスが次々に集まり始めているのです。

2016/7/29刊

マインドフルネスについては次の本も参考になります。

まずはこれだけ!脳の疲労を解消する7つの休息法

1.マインドフルネス呼吸法(とにかく脳が疲れているとき)

①基本姿勢をとる
・椅子に座る(背筋を軽く伸ばし、背もたれから離して)
・お腹はゆったり、手は太ももの上、脚は組まない
・目は閉じる(開ける場合は、2メートルくらい先を見る)

②身体の感覚に意識を向ける
・接触の感覚(足の裏と床、お尻と椅子、手と太ももなど)
・身体が地球に引っ張られる重力の感覚

③呼吸に注意を向ける
・呼吸に関わる感覚を意識する(鼻を通る空気/空気の出入りによる胸・お腹の上下/呼吸と呼吸の切れ目/それぞれの呼吸の深さ/吸う息と吐く息の温度の違い…など)
・深呼吸や呼吸コントロールは不要(自然と呼吸がやってくるのを「待つ」ような感覚で)
・呼吸に「1」「2」…「10」とラベリングするのも効果的

④雑念が浮かんだら…
・雑念が浮かんだ事実に気づき、注意を呼吸に戻す(呼吸は「意識の錨」)
・雑念は生じて当然なので、自分を責めない

ポイント
・1日5分でも10分でもいいので、毎日続けることが大切。
・同じ時間、同じ場所でやる(脳は「習慣」が大好き)

世界のエリートがやっている最高の休息法 p21

2.ムーブメント瞑想(気づくと考え事をしているとき)

①歩行瞑想
・スピードは自由だが、最初はゆっくり歩くのがおすすめ
・手足の筋肉・関節の動き、地面と接触する感覚に注意を向ける
・「右/左」とか「上げる/下げる」のように、自分の動き(ムーブメント)にラベリングする

②立った姿勢でムーブメント瞑想
・足を肩幅に開いて立ち、伸ばした両腕を左右からゆっくり上げていく
・腕の筋肉の動き、血液が下がってくる感じ、重力に意識を向ける
・上まで来たら、今度はゆっくり下げながら同様に(これを繰り替えす)

③座った姿勢でムーブメント瞑想
・椅子に座った状態で、後ろから前にゆっくり両肩を回す
・筋肉や関節などの動き・感覚へ細かく注意を向ける
・一周したら、逆に肩を回しながら、同様に注意を向ける。

④そのほかこんな方法も
・日常の動き(服を着る/歯を磨くなど)に意識を向ける
・自動車の運転中に、シートとお尻が触れている感覚、手がハンドルに触れている感覚、ハンドルをきったりブレーキを踏んだりするときの筋肉や関節の動きに注意を向ける(くれぐれも事故には注意を)
・ラジオ体操をやりながら、身体の動きや感覚を意識する。

ポイント
・「玄関を出たところからスタート」「駅の改札を出たら開始」など、ムーブメント瞑想をやるタイミングをあらかじめ決めると習慣をつくりやすい
・日々の食事に注意を向ける

世界のエリートがやっている最高の休息法 p23

3.ブリージング・スペース(ストレスで体調がすぐれないとき)

①ストレスの影響に気づく
・マインドフルネス瞑想の基本姿勢をとる
・ストレスの原因になっていることを「1つの文」にする
・その文を心の中で唱えたとき、心や身体がどう反応するかを確認する

②呼吸に意識を集中させる
・呼吸に「1」「2」とラベリングする
・身体の緊張がゆるんでいくのを感じる

③身体全体に意識を広げる
・注意に全身を広げる(身体全体が呼吸をしているイメージ)
・息を吸い込むとき、ストレスに反応した身体の部位を空気に吹き込むようにイメージし、呼吸につれてそこがほぐれていく感じを持つ
・さらに注意を周囲の空間全体へも広げていく

ポイント
・身体的な疲労すらも、そのメインステージは脳である
・ストレス要因をフレーズ化することで、自分の「認知の歪み」を客観化できる

世界のエリートがやっている最高の休息法 p25

4.モンキーマインド解消法(思考のループから脱したいとき)

①捨てる
・思考にラベルを貼り、「何度も考えた」という事実に気づく
・「もう十分!」と思考を頭の外に送り出すイメージ

②例外を考える
・同じ考えが現れるのは、同じ前提を置いているせいでは?
・その考えが当てはまらないケースを考えてみる

③賢者の目線で考える
・自分が尊敬する人や歴史上の偉人ならどう考えるか?
・「雑念そのもの」と「雑念を抱く自分」とを同一視していないか?

④善し悪しで判断するのをやめる
・「いまここ」以外の基準で物事を判断していないか?
・「ノンジャッジメンタル(判断しない)」を意識する

⑤由来を探る
・その考えが何度も現れてくる原因は?
・自分の「深い願望(ディープニーズ)」から考え直す

ポイント
・「雑念=電車」「自分=プラットフォーム」のような認知行動療法的アプローチが有効
・思考のループは睡眠(脳の洗浄)の妨げにもなる

世界のエリートがやっている最高の休息法 p27

5.RAIN(怒りや衝動に流されそうなとき)

①Recogniza(認識する)
・自分の中に怒りが起きていることを認識する
・怒りと怒っている自分を同一視しない

②Accept(受け入れる)
・怒りが起きているという事実を受け入れる
・その事実に価値評価を加えず、そのまま許す

③Investigate(検証する)
・怒ったときに身体に何が起きているかを検証する
・心拍はどう変化している?
・身体のどこが緊張している?

④Non-Identifivation(距離をとる)
・自分の感情を個人的にとらえない
・怒りを突き離して「他人事」のように考えてみる

ポイント
・怒り以外のさまざまな衝動(クレーヴィング)にも有効
・目的意識が高い人ほど、心のゆとりがなくなり、衝動に走りやすい

世界のエリートがやっている最高の休息法 p29

6.やさしさのメッタ(他人へのマイナス感情があるとき)

①マインドフルな意識状態をつくる
・通常のマインドフルネス瞑想を10分続ける
・ネガティブな感情から「いまここ」に注意を向け直す

②その人のことを思い浮かべる
・ストレスの原因となっている人をイメージする
・心身の変化に注意を向ける(身体の緊張、心の動きなど)

③心の中でフレーズを唱える
・「あなたがさまざまな危険から安全でありますように」
・「あなたが幸せで心安らかでありますように」
・「あなたが健康でありますように」

ポイント
・UCLAでもメッタ・プログラムは導入済み
・メッタは脳疲労の原因(DMNの過剰活動)を抑える

世界のエリートがやっている最高の休息法 p31

7.ボディスキャン(身体に違和感・痛みがあるとき)

①横たわって、呼吸に注意を向ける
・椅子に座りながらやってもOK
・呼吸に伴ってお腹が上下する感覚なども意識

②左足のつま先に注意を向ける
・足や靴や靴下に触れる感覚は?
・足の指が隣の指と触れ合う感覚は?

③身体をスキャン
・以下のように左足つま先から「スキャン」していく
・吸うとき:息が鼻から入り、身体を通って左足つま先に吹き込まれる
・吐くとき:左足つま先にある空気が、身体を通って鼻から出ていく

④同様のプロセスを全身で
・左の足先から左ももへのスキャンが終わったら、右脚、左右の手、頭や腹部などでもどうように
・痛みがある部分を観察し(痛みの強さ・性質の「ゆらぎ」に気づく)、その部分を同様にスキャンする

ポイント
・肩こりや全身のだるさなどにも効果が見込める
・「身体の感覚がどう変化しているか」にも注意すること

世界のエリートがやっている最高の休息法 p33

マインドフル・モーメント「最高の休息法」の物語

Lecture 0 先端脳科学が注目する「脳の休め方」

メンタルケアにおける脳科学の進歩はすさまじいものがあります。

脳という臓器に対する直接的な治療が始まっています。その1つがrTMS(Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation :反復経頭蓋磁気刺激法)と呼ばれる治療法です。さらに深部磁気刺激(Deep TMS)では、強迫神経症やPTSD、薬物依存など、10を超える適応症が見込まれています。アメリカではこうした先端研究が国家レベルで後押しされ、2013年からBRAIN構想としてプロジェクトが進みました。

こうした中でアメリカで一大ブームを引き起こしているのが「マインドフルネス」です。そしてマインドフルネスは最高の休息法なのです。

Lecture 1 「疲れない心」を科学的につくるには? 脳科学と瞑想のあいだ

マインドフルネスは脳と心を休ませるための技術群です。評価や判断を加えずに「いまここ」の経験に対して能動的に注意を向けることです。

マインドフルネスは東洋式瞑想を焼き直しただけでなく、科学的に裏付けられたものへ進化しつつあります。また、脳科学的なアプローチでも研究が進んでいます。

マインドフルネスは脳にポジティブな変化をもたらします。意識的な活動をしていないときに働く脳のベースライン活動である、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の活動を抑えることができます。

いわゆる脳のアイドリング状態に浮かんでくる雑念を抑えることで、脳疲労の最大要因を抑えるのがマインドフルネスの基本メカニズムになるわけです。

瞑想には脳と心を整える効果が見込めるのと同時に、マインドフルネスは脳の構造そのものを変えてしまう力があります。

マインドフルネスを実践し続けることで、脳の機能が高まり、老化による脳の萎縮に対しても効果があり、記憶に関する部位も強化される可能性があります。

脳は絶えず自らを変化させるという、能の可塑性については、以前から知られているのですが、研究が進めばマインドフルネスが有効な手段となるかもしれません。

そして、マインドフルネスは脳の疲れを対処療法ではなく、疲れに対する予防にもなります。

Lecture 2 「疲れやすい人」の脳の習慣 「いま」から目をそらさない

脳の全ての疲れやストレスは、過去や未来から生まれます。すでに終わったことにくよくよしたり、これから起きることに不安に思ったりするのです。そこで、いまに注意を向ける必要があり、その手段として呼吸を意識することです。これをマインドフルネス呼吸法といいます。

過去や未来からくるストレスから解放されることがマインドフルネスの目的です。まずは「いまここ」にいる状態を体得しなければなりません。

脳の変化には継続的な働きかけが欠かせません。そのためには、1日5分でも10分でもいいから、毎日続けること。大事なのは、同じ時間・同じ場所でやることです。脳は習慣を好むからです。

ランチタイムにできることもあります。例えば、ベーグルをあたかも初めて食べるかのように接する方法がありますが、食事瞑想といいます。食事中に「いまここ」を思い出す方法です。

Lecture 3 「自動操縦」が脳を疲弊させる 集中力を高める方法

何気なくやっている自動操縦状態に気をつける必要があります。自動操縦を脱して心のふらつきを減らして、今を取り戻すことが有効です。

自動操縦に慣れた人間は「集中力」が減っています。

心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱したフローとマインドフルネスの関係を指摘する人もいます。

集中力を高める方法として、マインドフルネス呼吸法にラベリングを組み合わせる方法があります。呼吸に合わせて1から10まで数えるだけです。繰り返していくことで、リラックスした覚醒状態に入りやすくなります。

自動操縦を解除するための典型的なメソッドとして歩行瞑想があります。歩く行為を、足の筋肉や関節の動きなどに意識して歩くこと。はじめはゆっくりがいいです。自分の身体の動きに注意を向けて「いまここ」に意識する方法をムーブメント瞑想といいます。歩行瞑想はその典型です。

Lecture 4 脳を洗浄する「睡眠」×「瞑想」 やさしさのメッタ

マインドフルネスの起源は東洋にあります。日本には森田療法や内観療法がありますが、考え方として近いです。一定の作業などに没頭させることで、考えにとらわれない「あるがまま」の状態をつくることを目指しているからです。

睡眠についても、様々な研究が進んでいます。

⇒ 睡眠については、次の本が参考になります。

ポジティブな感情を育てる方法としてメッタがあります。メッタは慈愛など、人に対する愛情と慈しみを内面に育てる方法です。

3つのステップからなります。

①マインドフルネス呼吸法を10分続ける
②自分がいつくしみたい人を心にイメージし、それによって起こる身体の感覚や感情の変化に注意を向ける
③その人に向けて次のようなフレーズを心の中で唱える
 ・あなたがさまざまな危険から安全でありますように
 ・あなたが幸せで心安らかでありますように
 ・あなたが健康でありますように

メッタは脳科学的な裏付けが進んでおり、後帯状皮質の活動をかなりリアルタイムに低下させることが明らかになっています。ネガティブな感情を打ち消し、不眠やストレスを改善するのです。

Lecture 5 扁桃体は抑えつけるな! 疲れを溜め込まない「不安解消法」

マインドフルネス3つの経験段階があると言われます。

  • 初期は いまここにいることに躍起になる段階
  • 中期は 心がさまよったことに気づき、いまここへ注意を向け直せる段階
  • 最終は 努力せずともつねに心がいまここにある状態

いくつかの研究で、3か月以上マインドフルネスを実践することで、前頭葉と扁桃体が上下関係でなく、対等でポジティブな関係をつくることがわかっています。前頭葉が人間の理性とするなら、扁桃体は感情ないし本能です。

ストレス反応には不安をつかさどる扁桃体が深く関係しています。そして、マインドフルネスはこの不安を緩和することが知られています。

メカニズムとしてはマインドフルネスの交感神経を鎮める作用だけでなく、前頭葉と扁桃体の関係を改善する効果が認められます。通常は前頭葉が扁桃体を上から抑制するのですが、マインドフルネスを長期に続けることで、上下関係からフラットにバランスを取り合うことがわかってきています。

ストレスでこわばった身体をゆるめる、ブリージング・スペースの方法も有効です。

マインドフルネスは脳を作り変える以上、ストレスの捉え方そのものも変えます。理性によってストレスを抑え込むのではなく、理性と感情がうまく調和する脳状態を作っていくことになります。

身体の疲れすらも、筋肉の物理的な消耗としてだけではなく、疲労感という脳現象として捉えるアプローチがあります。慢性疲労症候群を対象にしたメタ解析によると、運動指導と同じくらいカウンセリングが有効でした。身体の疲れすらも、癒しのメインステージは脳ということです。

食事との組み合わせも重要です。地中海地方の食事や、フラボノイド、ハーブ、オメガ3脂肪酸、腸内細菌を整える発酵食品。避けるのがいいのは肥満です。

⇒食事に関しては次の本も参考になります。

  • 世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

疲労感の改善に欠かせないのは、運動。

⇒運動に関しては次の本も参考になります。

  • スタンフォード式疲れない体

Lecture 6 さよなら、モンキーマインド こうして雑念は消える

怠ける日(=レイジー・デー)も有効です。

いろんな考えに頭が満たされる状態を、モンキーマインドといいます。

自分が駅のプラットフォームにいると想像してみます。そこに電車が入ってくるが、中に乗っているのは「考え」というサルの乗客です。こうしたサルが次から次へとプラットフォームにやってくるのですが、大切なのは「考え」に対して傍観者であり続けることです。自分と雑念を同じものとしてみる必要はありません。

これは一種の認知行動療法です。

認知行動療法は

  • 第1世代 行動を修正する行動療法として始まった
  • 第2世代 考え方の悪い癖や認知の歪みを一定の理論に基づいて修正していく
  • 第3世代 マインドフルネス認知療法

マインドフルネス認知療法では、自分の認知を客観視することから始めます。マインドフルネスを組み合わせることで、自分の考え方の癖を気づくのです。

Lecture 7 「怒りと疲れ」の意外な関係性 「緊急モード」の脳科学

怒りのように、外部からの過度の刺激を受けると、扁桃体は脳を乗っ取って暴走始めます。扁桃体ハイジャックとも呼ばれる現象です。扁桃体が暴走すると、アドレナリンが分泌されて思考活動が抑制されるので、前後の見境がなくなるわけです。

怒りに対処するためのマインドフルネスの手法「RAIN」です。

Lecture 8 レジリエンスの脳科学 瞑想が「折れない心」をつくる

マインドフルネス瞑想は自己へのとらわれを司る後帯状皮質の活性を低下させます。理論的には、自分が、自分がというエゴが出しづらくなるので、高度なチームワークを生み出すことが可能になるかもしれません。

復元力を意味する物理学の用語「レジリエンス」が、ポジティブ心理学に持ち込まれ、心にかかったストレスに対処する力、自らの精神を元に戻そうとする力を意味するようになりました。

⇒「レジリエンス」については次の本も参考になります。

レジリエンスを高めるためには、楽観性やソーシャル・サポートが有効と言われています。他人との持続的かつ広範なつながり、同じような境遇の人との支えあいがプラスと言われています。レジリエンスは後天的に培うことができるものです。

レジリエンスの脳科学的メカニズムはニューヨークにあるマウントサイナイ医科大学の研究で詳細に解明されています。

そこで分かったメカニズムによると、マインドフルネス低減の仕組みとかなり似通った部分がありました。つまり、マインドフルネス瞑想には、レジリエンスを高める効果が期待できるのです。

その手法としてエクアニミティ(Equanimity :平静)があります。

マインドフルネス瞑想を10分ほど続け、不安に思っていることを呼び出して、心の中で次のようにつぶやく。
「世の中はそういうものだ」
「どんなこともありのまま受け入れられますように」
これを繰り返すだけ。

これでも平静が訪れなくてもよい。いまはそうであることを受け入れるようにすればいいのです。

Lecture 9 脳から身体を治す 副交感神経トレーニング

競争に負けたくないという気持ちほど、脳を疲弊させるものはありません。

レジリエンスでも重要でしたが、他人とのつながりという因子が注目されています。それによれば、幸福度を高めた因子は、健康の度合いより、人との良好で安定したつながりでした。記憶機能や寿命にもプラスに作用しています。

ここから、これまで疎遠になっていた人に連絡を取ることも、プラスの影響があると見込めるとされています。

マインドフルネスは身体にも効きます。脳の状態を変化させることで、間接的に体の問題を解決するからです。

マインドフルネスの立役者ジョン・カバット=ジンは、慢性の痛み、乾癬、ホットフラッシュ、線維筋痛症など、様々な身体の問題にマインドフルネス低減法が有効だと主張してきました。

心と身体をつなぐ自律神経にもマインドフルネスはポジティブな作用をもたらすのです。

痛みに有効だとされるマインドフルネス瞑想にボディスキャンがあります。ブリージング・スペースの全身版といったところです。

Lecture 10 脳には脳の休め方がある 人と組織に必要な「やさしさ」

ポジティブ心理学の調査で、人間の幸せの48%が遺伝子で規定されているという結果が出ましたが、残り52%が大事になるという考え方もできます。

52%のうち、財産や社会的地位の影響はわずか10%らしいので、残り42%は個々人の行動や気持ちということです。

つまりは、どう生きるか、が重要ということです。

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