全ての知識と知恵はSDGs(Sustainable Development Goals)のために。

「未来を変える目標SDGsアイデアブック」内容の要約と紹介:Think the Earth、蟹江憲史、ロビン西

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SDGsの入門書

入門書。若干おふざけ気味の漫画が差し込まれているので、好みがわかれるところだが、全体を通じてわかりやすく構成されている。

SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)への取り組み方は様々な切り口がある。ビジネス方面からの切り口もあれば、政治レベル、ボランティアベース、市民運動、個人レベルまで幅が広い。本書では幅広な角度で取り組みを紹介しようとしているように感じたが、紙面の関係で紹介数が少ないのが残念。

SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)は2015年9月に国連で採択された。その決定プロセスがユニークで、3年かけて世界中で政府、国連、市民社会、企業、研究者など老若男女さまざまな立場の人たちが協議を重ね、世界からオンライン調査で1000万人の人々の声が届いて成立した。そのためSDGsは政府、国連だけでなく、企業、自治体、個人など、誰でも参加できる枠組みとなっている。

2030年までにあらゆる形態の貧困に終止符を打つという「世界レベルの社会契約」であり、「誰も置き去りにしない」という理念が根本にある。

SDGsの前にはMDGs(ミレニアム開発目標)があった。主に開発途上国の経済、社会面での開発を視野に置いたもので、8個の目標からできていた。2000年につくられ、2015年を目標年に置いたものだった。1日1.25ドル未満で生活する絶対的貧困の半減や、初等教育の普及などを掲げ、一定の成果を出したが、アフリカの一部の地域で置き去りにされてしまったところがあったり、先進国内にも相対的貧困という格差社会の中での貧困が増えていることが分かった。そこで、「誰も置き去りにしない」という理念がSDGsの根本に置かれた。

SDGsのすごいところは国連のすべての加盟国がこの目標に合意している点である。SDGsはいわば世界共通の物差しであり、どんな社会を目指していけばいいかの道しるべである。

SDGsには17の目標と169のターゲットが設定され、232の指標が定められた。SDGsには法的な義務はなく、自主的な取り組みを促す目標である。そのため、やり方は十人十色である。

例えば、個人のお金の預け先や投資。

日本人が保有している金融資産の総額は2018年度で1,809兆円。国家予算97兆7,128億円の18倍以上である。SDGsに配慮する運用をしている銀行や保険会社にお金を預けることで、SDGsに貢献できる。ESG投資もSDGsへの貢献の一つである。銀行や生命保険会社、損害保険会社を選ぶ基準にするのも一つの考えである。つまりは、お金を預けるだけでも貢献できるのである。

2017年夏にSDGsの進捗を図るため232の指標が決まった。この指標は今後も進化が続くが、測るためのスタートラインが決まったことになる。

目標は主に3つの種類に分けることができる。

経済

  • どうやって経済を成長させていくか
  • どのように産業や技術を革新していけばいいか
  • 仕事の仕方はどうすればいいか

社会

  • 貧困をなくすこと
  • 健康な人を増やすこと
  • 教育をいきわたらせること
  • 生活しやすい街づくり
  • 男女の差をなくすこと
  • 平和な社会を作ること

環境

  • 海や陸地の環境
  • エネルギーの使い方
  • 食べ物や水などの資源の作り方や使い方、処理の仕方

SDGsが2030年の世界の姿を示しているのであれば、逆算して、今、我々がしなければならないことが見えてくる。

例えば、目標12のターゲット12.3「2030年までにひとり当たりの食品廃棄物を半減する」。食品廃棄物には食べ残しだけでなく、食べ物が作られるときに捨てられるもの、形が悪くて選別されてしまうもの、売れ残りの食べ物や賞味期限切れの食べ物などが含まれる。

企業も他人事ではない。1990年。世界的なスポーツ会社が販売するサッカーボールがパキスタンで子供に働かせて作っていることが分かり、大きな批判を受けた。グローバルな企業の利益追求が子供の将来に害をなし、その国の将来にとっても害をなした可能性がある。

企業の責任が明確になり、企業への役割の期待も大きくなっている。SDGsに配慮しない企業は、様々な場面において、社会的な制裁を受けるリスクが出てきた。グローバルに展開している企業はステークホルダーの選別も厳格になり、それに伴い、ステークホルダーも見捨てられないようにするための努力が必要となる。

課題は山積であるが、一方で人類は確実に良い方向へ進んでいることがファクトフルネスで示されてきた。

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目標1 貧困をなくそう

1日1.9ドル未満で暮らす人の数

2002年 約16億1,900万人
 ↓
2013年 約7億6,800万人

国際貧困ラインはSDGs採択時には1.25ドルだったが、2015年10月に1.9ドルに引き上げられた。

1日1.9ドルでは健康的に生きていくのに必要な食べ物、水、医療、教育が受けられない。貧困が次の世代に連鎖してしまう。先進国から途上国への援助が欠かせない。先進国内でも経済的・社会的に弱い立場の人への支援が必要。

未来を変えたアイデア:グラミンバンク

経済学者ムハマド・ユヌスによって1983年にバングラデシュで設立されたグラミンバンク。ムハマド・ユヌスは2006年にノーベル平和賞を受賞している。2009年のThinkers 50の6位にも選ばれた。

グラミンバンクは最貧困層に、無担保で少額を融資するマイクロクレジットを行っている。借り手の97%女性。重要なのは、マイクロクレジットが慈善ではなく、融資であること。返済の義務を負わせることで、借り手の自立を促すプログラムとなっている。

関係する目標:1、4、5、8、10

未来を変えたアイデア:おてらおやつクラブ

お寺のお供え物を仏さまからのおさがりとして困っている人におすそ分けする仕組み。日本の子供の7人に1人が貧困状態にあるといわれている。相対的貧困問題で、その国の平均水準よりずっと低い収入で生活せざるを得ない状態をいう。

奈良県の安養寺の住職・松島恭朗さんが立ち上げたNPOのおてらおやつクラブの活動。お寺は後方支援に徹している。

関係する目標:1、2、3、10、11

目標2 飢餓をゼロに

栄養不良の人口

  • 2000年 9億人
  • 2003年 9億4,720万人
  • 2007年 8億5,450万人
  • 2011年 7億8,210万人
  • 2015年 7億7,770万人

飢餓をなくすためには、アフリカやアジアに5億軒ある小さな農家の生産性を上げることが重要となる。生産性を上げるだけでなく、生態系を守り、土地がやせないように注意し、持続可能な農業を作り出すことが必要。

未来を変えたアイデア:テーブル・フォー・ツー

世界には食べられない人と食べ過ぎている人がいる。どちらも不健康な状態で、両者が食べ物を分かち合えれば問題が解決できる。

これを実現したのがTABLE FOR TWO(テーブル・フォー・ツー)である。活動している飲食店や社員食堂などで食事をすると代金から20円が寄付される。20円はアフリカの学校給食1食分。自分が食事を1食食べるだけで自動的に途上国の子供の1食がまかなえる。

関係する目標:1、2、3、10、17

未来を変えたアイデア:学校給食プロジェクト

ベトナム味の素社は、ベトナムで栄養バランスの良い学校給食を普及させる取り組みを行っている。各地の小学校を訪問し、2,000校以上が導入している。慈善事業ではなく、ベトナム味の素社の調味料などを使った給食メニューに親しんでもらい、未来の消費者獲得につなげる狙いがある。相手のためと自分のためを組み合わせた問題解決策である。

関係する目標:1、2、3、4、8、12、17

目標3 すべての人に健康と福祉を

5歳未満児の死亡率と順位 2015年
※出生1,000人当たり

  • 1位 アンゴラ 157人 アフリカ
  • 2位 チャド  139人 アフリカ
  • 3位 ソマリア 137人 アフリカ
  • 4位 中央アフリカ共和国 130人 アフリカ
  • 5位 シエラレオネ 120人 アフリカ
  • ・・・
  • 182位 日本 3人

医療や健康に関する知識が十分に行き渡らず、予防や治療ができるはずの肺炎や下痢、マラリアで多くの子供の命が失われている。妊娠・出産時の女性や幼い子供の死亡率が高く、感染症が多くの人の健康を脅かしている。先進国でもたばこやお酒、薬物乱用、環境汚染などで健康を害する人がいる。

未来を変えたアイデア:母子健康手帳

日本の母子健康手帳を見れば、医師が見ればそれまでの状況を大まかに把握できるようになっている。世界の数十か国で母子健康手帳を参考にした試みが始まっている。

関係する目標:1、2、3、4、17

未来を変えたアイデア:ジップライン

アクセスの悪い遠方で大出血をした。何時間もかかっていては、命に危険が及ぶ。アフリカ東部のルワンダで活躍しているのがドローンである。

アメリカのベンチャー企業Zipline(ジップライン)が考えたのは、ドローンを使った医療資材の運搬である。飛行機に比べて比べ物にならないほど安く、簡単に修理できる。

関係する目標:1、3、9、10

目標4 質の高い教育をみんなに

15歳以上で読み書きのできない人の数 2016年

7億5,000万人 うち3人に2人が女性子供のときだけでなく、大人になってからも必要。性別や経済力、年齢などにかかわらず、すべての人が質の高い教育を受けられるようにする。

SDGsを育む教育としてESD(Education for Sustainable Development=持続可能な開発のための教育)が必要である。

未来を変えたアイデア:みんなの学校プロジェクト

アフリカでは、教員の知識・技術不足や、未整備な学習環境、教育行政の弱さから、教育に対する不信感がある。みんなの学校プロジェクトでは、教員、親、地域の人々が協働する仕組み。学びの現状をみんなで共有して解決策を議論・決定する場となった。

関係する目標:4、5、6、10、17

未来を変えたアイデア:グリーンスクール

インドネシアのバリ島にあるグリーンスクールは、世界中から3歳~18歳の生徒約400人が学ぶ学校。持続可能な社会を作る人を育てる。創始者のジョン・ハーディは持続可能とは何かを体感する教育が必要だと感じて始めた学校である。

関係する目標:4、6、7、13、14、15

目標5 ジェンダー平等を実現しよう

雇用や給与、家事分担、財産、社会への意思決定への参加など、多くの場面で女性差別は行われている。人口の半分を占める女性が差別の為に自分の能力を活かせなかったら、社会や経済が持続的に発展していくことはできない。

未来を変えたアイデア:シャクティ舞踏団

インドのカースト制度で最下層のダリットの少女たちにたいして、修道女シスター・チャンドラが取り組んだのが、ダリットの少女たちを受け入れるセンターでのシャクティ舞踏団だった。将来自立できるように、技術や知識を教え、民俗舞踏を教え、公演活動を行っている。

関係する目標:1、3、4、5、10、16

未来を変えたアイデア:ルーミネイト

科学的思考を必要とする職業に女性が少ないのは、性差があるわけではなく、理系脳を育むおもちゃで遊ぶ機会が少ないからだ。

女の子向けのSTEM(Science ,Technology, Engineering, and Mathematics)玩具が増えれば、状況は改善する。その一つがルーミネイト(Roominate)である。一見するとドールハウスだが、モーターを使ってファンを回したり、ケーブルで回路をつないで電気をつけたり、エンジニアリングが学べる。

関係する目標:4、5

目標6 安全な水とトイレを世界中に

管理された水を利用できない人の割合 2015年

  • 飲み水 29% 約21億4千万人
  • 下水設備 61% 約45億人

汚染された水を飲んで、下痢になり命を落とす子供が年間150万人いる。人口が増えれば、水不足はさらに深刻になるかもしれない。上下水処理や再利用の仕組み、必要な自然環境保護・回復活動が必要となっている。

未来を変えたアイデア:ハンディポッド

毎日使っている約300リットルの水のうち、99%は体や衣服や食器の洗い物やトイレに使われている。カンボジアのトンレサップ湖では10万人が湖に浮かぶ家で暮らしている。湖が汚れ、その水を飲んだ子供たちが苦しんでいる。

湖の汚染を食い止めるために水上浄水設備ハンディポッドを普及するプロジェクトが始まった。地元にある素材で作ることができ、比較的値段も安い。

関係する目標:1、3、6、11

未来を変えたアイデア:ワルカウォーター

デザイナーのアルトゥッロ・ヴィットリは空気中の水蒸気から水を集めるワルカウォーター(Warka Water)を作った。1日に集められる水は100リットル程度。空気中には地球のすべての河川の8倍の水が含まれているとされる。それを有効利用するアイデアである。

関係する目標:3、6、11

目標7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに

世界の再生可能エネルギー発電の割合 2016年推計

約24.5%

世界では12億人を超える人が電気を使えない。一方で、今のエネルギーの多くは化石燃料を使っており、気候への影響が懸念される。つくったエネルギーを効率的に使い、再生可能なエネルギーの利用を増やすことが求められる。

未来を変えたアイデア:アフリカン・クリーンエネルギー

2011年に設立されたアフリカン・クリーンエネルギー社は、クリーンなコンロと持続可能なエネルギーを届けることを目指し、バイオマス燃料を利用した高効率のコンロを開発した。

関係する目標:3、7、10、13、15

未来を変えたアイデア:ソーラールーフ・タイル

アメリカのテスラ社が販売する建材一体型太陽電池「ソーラールーフ・タイル」は太陽に対しては透明だが、斜めからは不透明に見える特徴がある。従来の屋根材に引けを取らない外観となっている。

関係する目標:7、9、11、12、13

目標8 働きがいも、経済成長も

児童労働への従事者数 2016年

約1億5,200万人(=全世界の子供の10人に1人)

途上国では失業率の高さと同時に児童労働が大きな問題である。社会的な立場の弱い人が雇用や賃金、労働環境など多くの面で不利になりがちである。

また、働きがいがあり人間らしい生活が送れる仕事(=ディーセントワーク(Decent Work))をすべての人にというのも目標である。量だけでなく、質も重要ということである。

未来を変えたアイデア:タラブックス

インドの出版社タラブックスには大量の注文が舞い込むが、会社を大きくしないと決めている。あまりに多くの人を雇うと、社員は会社にとって自分が不可欠な存在だと感じられなくなる。それでは良い本は作れない。

関係する目標:8、10、12

未来を変えたアイデア:スモールビジネスサタデー

地元の人が営む小さな店で買い物をすると、お金は地域で回り、地域経済が豊かになる。2010年にアメリカン・エクスプレス社が始めたのがSmall Business Saturday(スモールビジネスサタデー)である。アメリカでは感謝祭(11月第4木曜日)の翌日にセールが始まるが、その翌日の土曜日を地元の商店で買い物をする日にしよう、というもの。

関係する目標:8、11

目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう

インターネットの普及率 2017年

  • 先進国 約81%
  • 開発途上国 約40%
  • 後発開発途上国 約18%

先進国では何かが起きても早く復旧できる「レジリエント」なインフラづくりが求められている。途上国では社会や経済を支えるインフラの整備が必要。広く公平に誰でも参入できる産業、資源を効率に使える持続可能な産業を作り出すためには、イノベーションが欠かせない。

未来を変えたアイデア:留職プログラム

NPOのクロスフィールズの留職プログラムは、社員が新興国に数か月間滞在し、現地のNGOや企業と一緒に仕事で培った知識や技術を社会課題の為に役立てている。

関係する目標:1、2、3、6、7、8、9、10、17

未来を変えたアイデア:クライシスマッピング

被害状況をネット上の地図に書いていくクライシスマッピング。あらゆる被災地のデータをボランティアたちが整理し、地図に書き加える。2010年のハイチ地震がきっかけで世界的に広がり、東日本大震災、伊豆大島の台風、熊本地震でも大いに役立った。

関係する目標:9、11、17

目標10 人や国の不平等をなくそう

富裕層1%が世界の富の半分以上を保持している

世界には76億人いるが、世界の富の半分がわずか1%の人のものだといわれている。

極端な格差を放置せず、富の再分配を行う仕組みができれば、貧困や飢餓、紛争の解決に役立つはずである。

未来を変えたアイデア:ファッションレボリューション

2013年4月、バングラデシュでファッションメーカーの縫製工場が集まるラナ・プラザ・ビルが崩れ、1,100人以上の労働者が亡くなった。わずかな賃金で長時間労働を強いられていたことが判明し、これをきっかけに始まったのがファッションレボリューションである。ファッション業界のお金の流れを知り、どのようにつくられた服なのかを知ろうという運動である。

関係する目標:1、5、8、10、12

未来を変えたアイデア:ラクチンきれいシューズ

ラクチンきれいシューズ。一般的な靴のサイズでは日本人の足のサイズの約7割しかカバーできていない。
丸井グループはサイズ幅を拡大した靴シリーズを開発。

関係する目標:5、8、10、12、13

目標11 住み続けられるまちづくりを

世界の都市人口の割合

  • 1960年 約33.6% 約10億1,400万人
  • 2016年 約54.3% 約40億2,700万人

2050年には人口の3分の2が都市に暮らすといわれている。レジリエントなまちづくりが必要である。

未来を変えたアイデア:インクレディブル・エディブル

インクレディブル・エディブル(Incredible Edible)はイギリスのトッドモーデンで始まったまちづくり。至る所に食べられる植物が植えられ、好きなように食べてよい。活動の輪はほかのまちへ、世界へ広がっていった。

関係する目標:3、4、11、15

未来を変えたアイデア:シェア金沢

石川県金沢のシェア金沢のコンセプトは高齢者も若者も、子供も障害のあるかたもない方も、ごちゃまぜで楽しく暮らせるまち

関係する目標:3、10、11

目標12 つくる責任、つかう責任

品目別食品ロスの割合

  • 穀物 30%
  • 乳製品 20%
  • 魚介類 35%
  • 果物と野菜 45%
  • 肉類 20%
  • 種子や豆類 20%
  • 根菜類 45%

未来を変えたアイデア:サステナブル・ラベル

その製品がどのように作られ、私たちの手元に来たのか、かつ世界的な基準を満たしたことを示すのがサステナブル・ラベルである。

関係する目標:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15、17

未来を変えたアイデア:テラサイクル

テラサイクルはごみをゴミと考えず、とことん活かそうとする。取り組みを支援する企業や人は増え、2018年時点で21か国6,300万人まで増えた。設立者のトム・ザッキーは19歳で事業を立ち上げ、捨てるという概念そのものを捨てよう、と思い立った。

関係する目標:11、12、13、14、15

目標13 気候変動に具体的な対策を

産業革命前(1880年~1900年)からの世界の平均気温

  • +1.1℃ 2016年における上昇値
  • +1.5℃ 2015年12月パリ協定で定められた努力目標
  • +2.0℃ 世界が合意している長期的な温暖化抑止目標
  • +3.0℃ 自然環境や人間社会に大きな影響が出ると見込まれる

未来を変えたアイデア:トランジション・タウン

2006年にイギリスのトットネスから始まったのがトランジション・タウンの活動である。石油に依存した社会から、必要最小限のエネルギーでも気持ちよく健康的に暮らせる社会への移行を目指している。試みは50か国以上、1,000を超える地域に広がっている。

関係する目標:7、11、13

未来を変えたアイデア:ダイベストメント

アメリカのNGO、350.orgが世界に呼び掛けたダイベストメントキャンペーンは、貯金の預け替えや、株などの投資先の見直しを促進する活動である。気候変動を促進するような事業に投資している銀行から貯金を引き上げ、そうでない銀行に移すだけ。企業や投資機関も参加し、2012年の開始から650兆円以上のお金が動いている。

関係する目標:7、12、13、17

目標14 海の豊かさを守ろう

生物学的に持続可能な水準範囲にある魚種資源の割合

  • 1974年 90%
  • 2013年 69%

大きな問題は2つある。

  1. 人間が出す大量のごみや排水が海を汚していること。
  2. 漁業の仕方。

未来を変えたアイデア:オーシャン・クリーンアップ

海上には年間1200万トンのごみが流出しているという計算がある。そうした海洋ごみをなんとかしようと2012年にオランダの高校生ボイヤン・スラットが発表したのがオーシャン・クリーンアップ作戦である。風や海流の影響でごみが特定の場所に集まることに着目して、定期的に回収するというもの。

関係する目標:9、14

未来を変えたアイデア:南三陸戸倉っこかき

2011年の東日本大震災をきっかけに、かきの養殖方法を見直して生まれたのが南三陸戸倉っこかきである。自然になるべく負荷をかけない仕組みで、筏を従来の3分の1に減らした。

関係する目標:8、11、12、14

目標15 陸の豊かさも守ろう

絶滅の危機にある生物種の割合

  • ソテツ類 63%
  • 両生類 42%
  • 造礁サンゴ類 33%
  • 針葉樹 34%
  • 哺乳類 26%
  • 鳥類 13%

未来を変えたアイデア:生物多様性ホットスポット

自然破壊は世界中で広がっているが、どこから手をつければよいのか。その目標を絞ったのが、国際的NGOのコンサベーション・インターナショナルである。優先的に自然を守るべきエリアを選んだ。それが生物多様性ホットスポットである。マダガスカル島やスンダランドや、そして日本列島も。

関係する目標:13、14、15、17

未来を変えたアイデア:熱帯林監視システム

熱帯林の違法な伐採を探しだすのが、JAXAとJICAで取り組んでいる衛星「だいち2号」の観測装置「PALSAR-2」を使って、宇宙から熱帯林を観測する熱帯林監視システムである。

関係する目標:9、13、15、17

目標16 平和と公正をすべての人に

暴力や虐待のない平和な世界、法によって守られている社会を作ること。

未来を変えたアイデア:武装解除広告

2017年8月15日、コロンビアの内戦に終止符が打たれた。きっかけは広告である。仕掛け人は広告クリエイターのホセ・ミゲル・ソコロフだった。

関係する目標:10、16、17

未来を変えたアイデア:ユネスコMGIEP

ユネスコは2012年にインド政府とともに、非暴力の教えを説いたマハトマ・ガンジーの名を冠したMGIEPを発足した。教育を通じて平和な社会を築くため、ITを駆使した現代的なアプローチを展開している。

関係する目標:4、16、17

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

パートナーシップは国と国の間だけではなく、企業や個人、消費者、投資家、研究者、NPOなど様々な立場の関係者が参加することで、社会を変える力となる。

未来を変えたアイデア:ESG投資

売り上げや利益などの業績だけでなく、環境や人権などの課題に取り組んでいる会社を選んで投資するのが、ESG投資である。2006年に国連が責任投資原則を発表し、銀行などの大口投資家に、ESGを考慮した投資を呼びかけたのがきっかけとなっている

関係する目標:1~17の全て

未来を変えたアイデア:国連と吉本興業

吉本興業のエンターテインメントの力を借りて多くの人に知ってもらうきっかけを作る。

関係する目標:17

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