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「そうか、君は課長になったのか。」内容の要約と紹介:佐々木常夫

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はじめに

著者は東大卒で、東レの取締役にもなりました。一見、順風満帆のサラリーマン生活ですが、そんなことはありません。

プロフィールには、こう書かれています。

『自閉症の長男に続き、年子の次男、年子の長女が誕生。初めて課長に就任したとき、妻が肝臓病に罹患。うつ病も併発し、入退院を繰り返す(現在は完治)』

壮絶といっていいでしょう。

そうした著者だからこそ、この本に書かれている言葉は重いのです。

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目次

第1章 まずはじめに、「志」をもちなさい
1 部下との「絆」は一生の宝もの――課長ほどおもしろいポジションはない
2 君に読んでほしい本――『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』
3 高い「志」が人を動かす――スキルだけでj課長は務まらない
4 人を幸せにするのが、自分の幸せ――ノブリス・オブリージュであれ
5 プレーイング・マネジャーにはなるな――課長は新しい世界の仕事

第2章 課長になって2か月でやるべきこと
6 最初に君の信念を示す――本気で考え、本気で伝える
7 「時間厳守」を叩き込む――時間にルーズな課は成果を出せない
8 すべての部下と面談する――前任課長の仕事を評価する
9 「在任中に何を成すか」を決める――デッドラインで自分を追い込め
10 細かいことは部下に教われ――課長は大きな流れを決める
11 大目標をブレークダウンをする――そして、課の業務を組み直せ
12 部下の仕事に手をつっこむ――君は仕事の発注者だ

第3章 部下を動かす
13 君は、部下の人生にコミットする――手塩にかけて育てなさい
14 部下は与えられたもの――全員の戦力を最大に高めよ
15 部下の自己表現を応援しなさい――人はパンのみに生きるにあらず
16 はっきりと言葉にする――「あうんの呼吸」が仕事をダメにする
17 家庭の事情もオープンにする――自分の周りに垣根をつくらない
18 褒めるが8割、叱るが2割――大事なのは「本気」であること
19 「人事評価」で自分を押し殺す――己の価値観から離れてみる
20 部下の仕事を認めてあげなさい――対話がモチベーションを上げる
21 やる気の落ちている部下がいたら――焦らずじっくり話を聞きなさい
22 異端児こそ大事にせよ――ダイバーシティ・マネジメントのすすめ
23 信頼する部下が「退職」を願い出たら――君の思いを真剣に伝えなさい
24 課長だからといって恰好つけるな――「一個の人間」を部下もわかっている
25 「部下を守る」を勘違いしない――”温情”が部下を殺すこともある

第4章 社内政治に勝つ
26 上司を味方につける――対応を間違えば最大の障壁になる
27 「2段上の上司」を攻略せよ――強力な援軍になってくれる
28 目に見えないヒエラルキーを利用せよ――本当の実力者を見極める
29 部下の昇格に全力を注げ――「社内政治」の腕の見せどころ
30 上司の人間性に問題があったら――根本的に直ることはないと思え
31 口は災いのもと――悪口は本人の前で言う

第5章 自分を成長させる
32 大局観を養いなさい――常に上位者の視点で考える
33 会社の常識に染まらない――定時で帰って社外の人と付き合う
34 自分の頭で考える人間になる――批判精神なき読書は有害
35 不本意な部署で課長になったら――器を大きくするチャンスと思え
36 課長に向いていないと思ったら――君らしくあれ
37 家族はかけがえのないもの――「絆」の強さは過ごした時間に比例しない

第1章 まずはじめに、「志」をもちなさい

1 部下との「絆」は一生の宝もの――課長ほどおもしろいポジションはない

一緒に働いた仲間との「絆」を大事にする人は、出世する可能性が高い。

2 君に読んでほしい本――『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』

キングスレイ・ウォードの『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』
 ▼
そこには、あふれるばかりの愛情に満ちたアドバイスが書かれている。
 ⇒ 読んでみよう!!
 ▼
まさに、一人の父親は百人の教師に勝る。
 ▼
本書の底流にはこの本の存在がある!

3 高い「志」が人を動かす――スキルだけでj課長は務まらない

「志」さえ高ければ、スキルなど自然と後から付いてくる。
 ▼
部下を動かすのはスキルじゃない。
部下の心を動かす高い「志」と「パッション」をもたなければ、だれも付いてこない。
 ▼
課長は人を動かすのが仕事。
利己的な考えで人を動かそうとしても、決して動いてはくれない。
=部下の成長や幸せのために本気で指導に当たっているということが伝わらなければ、決して本当の意味で見方にはなってくれない。

4 人を幸せにするのが、自分の幸せ――ノブリス・オブリージュであれ

人の究極の幸せは
1.人に愛されること
2.人に褒められること
3.人の役に立つこと
4.人から必要とされること
 ▼
「世のため人のため」に生きることは「自分のため」につながる。
 ▼
ノブリス・オブリージュ
=高い地位にある人は、社会や人々のために尽くす義務がある
 ▼
課長は部下に対して「ノブリス・オブリージュ」であってほしい。

5 プレーイング・マネジャーにはなるな――課長は新しい世界の仕事

課長になるということは、具体的業務を卒業して、新しい仕事に向き合うこと。
 ▼
1.方針策定…課の経営方針の策定と遂行状況のチェック
2.部下の監督と成長
3.コミュニケーション業務
4.政治力…社内外の関係者を自分の目標通りに導いていく政治力
 ↓↑
プレーイング・マネージャーでは疲弊して結果が出ない
 ▼
具体的業務からは一切手引いて、課長本来の仕事にまい進すべき

第2章 課長になって2か月でやるべきこと

6 最初に君の信念を示す――本気で考え、本気で伝える

「仕事の進め方10か条」
1.計画主義と重点主義
 まず、仕事の目標設定→計画策定をし、かつ重要度を評価すること。
 自分の在籍期間、今年・今月・今週・今日は何をどうやるか計画すること。
 すぐに走り出してはいけない。優先順位をつける。
2.効率主義
 目的を十分に踏まえどのやり方が有効かできるだけ最短コースを選ぶこと。
 通常の仕事は拙速を尊ぶ。
3.フォローアップの徹底
 自ら設定した計画をフォローアップすることによって自らの業務遂行の冷静な評価を行うとともに次のレベルアップにつなげる。
4.結果主義
 仕事はそのプロセスでの努力も理解するが、その結果で評価される。
5.シンプル主義
 事務処理、管理、制度、資料はシンプルを持って秀とする。
 すぐれた仕事、すぐれた会社ほどシンプルである。複雑さは仕事を私物化させやすく、後任者あるいは他者への伝達を困難にさせる。
6.整理整頓主義
 情報収集、仕事のやりやすさ、迅速性の為整理整頓が要求される。
 資料を探すロスのほかに、見つからずに結局イチから仕事をスタートさせるという愚を犯す。
7.常に上位者の視点と視野
 自分が課長ならどうするか、部長ならどうするかという発想で仕事の進め方は仕事の幅と内容を豊かにし、自分および組の成長につながる
8.自己主張の明確化
 自分の考え方、主張は明確に持つと共に、他人の意見をよく聴く事。
 自分の主張を変える勇気、謙虚さを持つこと。
9.自己研鑚
 専門知識の習得、他部署、社外へも足を運ぶこと。管理スタッフならば、管理会計程度は自分で勉強し、身につけておくこと。
 別の会社に移っても適用する技術を習得すること。
10.自己中心主義
 自分を大切にすること→人を大切にすること。楽しく仕事をすること。
 健康に気を付けること。年休を取ること。
 +
方針や考え方は、必ず文書にして渡す
 ▼
とにかく反復連打!!
この話をし続ける。

7 「時間厳守」を叩き込む――時間にルーズな課は成果を出せない

時間にルーズな課員がいたら、課のマネジメントがうまくいっていないと考えて間違いない

8 すべての部下と面談する――前任課長の仕事を評価する

着任後すぐにやるべきことは「事実」をつかむこと
1.課としてなすべき重大課題や緊急テーマ
2.部下の業務分担、能力、モチベーション、メンタルヘルス、家族状況
3.上司の存在感
 ▼
前任課長からの引き継ぎ事項をうのみにしないこと
「事実」というのは厄介だ
 ▼
事実をゆすってみると、たいていの場合「事実」でないことがわかる。
特に、部下の人事評価を真に受けることは絶対に避けるべき
 ▼
前任の課長の評価を「事実」と受け取ることによって「人材を殺す」ことすらあることを肝に銘じるべき
 ▼
課の中の一番若い人から順番に聞いた方が良い
そして、多面的に質問することが重要

9 「在任中に何を成すか」を決める――デッドラインで自分を追い込め

現在の職にはタイムリミットがある
 ▼
在任中に何をなすかを決めること

10 細かいことは部下に教われ――課長は大きな流れを決める

きちんと教えを乞わなければならない。
でないと間違いなく誤った判断をすることになる。
 ▼
後輩であっても、その人が担当する分野については自分にはかなわないアドバンテージがある
会社で起きていることに解決策は、たいていは「常識」で判断できる
 ▼
だから、細かい知識なんか気にしないで、虚心坦懐に部下に聞くとして、大きな流れについては自分が判断し、支持する

11 大目標をブレークダウンをする――そして、課の業務を組み直せ

計画をもたずに、成行きに任せる仕事は、決定的なロスが生じる
 ▼
課の業務の中でプライオリティをつけなければならない
 ▼
場合によっては、従来の仕事を捨てなければならない
流れに流されていては真のマネジャーにはなれない
パレートの法則
⇒ 重要な仕事の2割をやれば、全体の仕事の8割が達成できる
= 今、課にとって、重要な事、とは何か?

12 部下の仕事に手をつっこむ――君は仕事の発注者だ

業務ごとに重要度のランキングをつける
 ▼
部下に仕事を発注するのは課長で、部下は課長から仕事を受注する
1.部下が一週間の業務内容と所要時間をまとめた計画書を作成する
 ▼一週間後
2.実際にかかった時間を記入し、計画と対比
 ▼
3.仕事の予測能力の向上
  +
 プライオリティ設定の習慣化
 ▼
仕事のスピード50%アップ

第3章 部下を動かす

13 君は、部下の人生にコミットする――手塩にかけて育てなさい

部下の成長にコミットする力をもっている、一人の人間の人生を変える力をもっている
 ▼
少々面倒であっても、部下を手塩にかけて育てよう
 ▼
その仕事が「何のためにあるのか」ということを明確に示してあげることが重要
部下にやりがいを与えるのは、課長の大事な仕事である。

14 部下は与えられたもの――全員の戦力を最大に高めよ

粘り強く指導することによって、仕事の遅い人、要領の悪い人の効率を上げることでチーム全体の仕事の成果を上げることができるかもしれない
 ▼
仕事の結果に差をもたらすのは、能力というよりは熱意である

15 部下の自己表現を応援しなさい――人はパンのみに生きるにあらず

完成した時の喜びには何物にも代えがたいものである
部下に「これを成し遂げたい」という志をもつことを奨励し、その実現のために叱咤激励しよう

16 はっきりと言葉にする――「あうんの呼吸」が仕事をダメにする

「何のために」「いつまでに」「どの程度まで」「誰と誰がするか」ということをしっかり決めておかなければならない
 ▼
なぁなぁという考えは捨て去ること
 ▼
要所要所で念入りにコミュニケーションをとる手間をかけることで、ロスは大幅に減る
ほとんどの部下は、上司のやり方を快く思わなかったり、自分ならこうするのにと不満を感じても、黙っているものである

17 家庭の事情もオープンにする――自分の周りに垣根をつくらない

自分の悩みをさらけ出すことで、部下は自分や周りの人の抱えている悩みなども話しやすくなる
 ▼
プライベートが健全で悩みが少ないことがとても大切

18 褒めるが8割、叱るが2割――大事なのは「本気」であること

叱ってばかりではモチベーションが下がって成果が長続きしない
 ▼
時に叱ることによって緊張感を失わせない
褒めるも叱るも本気でなければダメ
 そして
叱る時も、その人の性格に合わせていくべきで、「えこひいき」をしてはいけない

19 「人事評価」で自分を押し殺す――己の価値観から離れてみる

部下の現状を正しく評価することによって、これから身につけなければならない能力・技術・人間力について自覚させる
 ▼
自分の主義・主張から一歩離れて、できるだけ客観的に、冷静に評価してみる
 ▼
テクニックだが、
 少し甘い評価をしてあげた方が良いだろう

20 部下の仕事を認めてあげなさい――対話がモチベーションを上げる

「仕事の成果は仕事で報いる」
人事評価には高度なバランス感覚が求められている
多少おかしな制度でも、現場の運用次第でなんとか弊害を食い止めることができる
 ▼
一人の人間として、部下の仕事を認めてあげること
 ▼
「話すが二割、聞くが八割」

21 やる気の落ちている部下がいたら――焦らずじっくり話を聞きなさい

「常日頃からその言動を見守るように」

22 異端児こそ大事にせよ――ダイバーシティ・マネジメントのすすめ

ひとつのカラーに統一しようとする圧力の働くチームというのは極めて脆弱
 ▼
異質な考え方の提案によって、組織にコンフリクトが起こり、
既存の考え方の検証が行われ、イノベーションを起こす
 ▼
だから、異端児をいかさなければ損だ

23 信頼する部下が「退職」を願い出たら――君の思いを真剣に伝えなさい

部下の能力をPRし、処遇を変えるべく周囲を説得する
不条理な人事運用がなされているようなら、それを改めなければならない
今いる会社が最後の職場ではない
他の会社に転職しても通用するスキルを磨かせておくこと

24 課長だからといって恰好つけるな――「一個の人間」を部下もわかっている

絶対に、部下のせいにしてはいけない
 また、
少々格好悪いところをみせたからといって動揺することは一切ない
 ▼
演技は通用しない

25 「部下を守る」を勘違いしない――”温情”が部下を殺すこともある

部下のミスによらない批判に対しては、断固として部下を守る姿勢を貫いてください
 ▼
再びミスしないようにしてあげるのが、部下を守ること
下手な温情は部下を殺してしまいかねない
 ▼
会社は人助けの組織ではなく、あくまでも先頭集団である

第4章 社内政治に勝つ

26 上司を味方につける――対応を間違えば最大の障壁になる

これ、大事です!

27 「2段上の上司」を攻略せよ――強力な援軍になってくれる

2段上の上司は、評価や異動を覆す力も持っている
 +
直属の部下のそのまた部下の話を直接聞いてみたいと考えているものである
 ▼
「結論まっしぐら」を徹底して相談してみる
 ▼
自分は2段上の上司と信頼関係にあることを知らしめておくのも効果的

28 目に見えないヒエラルキーを利用せよ――本当の実力者を見極める

キーマンとはなにかにつけてコンタクトをとって良好な関係を気付いておこう
 ▼
公式にはそれほどの地位がなくても、多くの重要な問題で影響力を持つ人がいる
例えば、お局さま
 ▼
目に見えないヒエラルキーにも目を凝らして、その力を利用できるようにするのも重要な仕事
 ただし
誰とでもわけ隔てなく付き合うという人間として当然のことをやればいい

29 部下の昇格に全力を注げ――「社内政治」の腕の見せどころ

昇格時期を迎えた部下には最大限の配慮をするべき
 ⇒ 社内政治では勝つことが大事
 ▼
自分の手柄を大げさにPRする課長がいるが、部長からみた場合、それは不愉快な事
 ▼
人事部の人たちは人事情報に飢えている

30 上司の人間性に問題があったら――根本的に直ることはないと思え

上司とは喧嘩をしてはいけない

31 口は災いのもと――悪口は本人の前で言う

「暗黙知はダメ、言語知だよ」
 ▼
どうにも我慢できなかったら、本人の前でも同じことを言おう

第5章 自分を成長させる

32 大局観を養いなさい――常に上位者の視点で考える

課長になってから、課長の勉強しているようでは遅い。
 ▼
係長の時は課長のつもりで、課長の時は部長のつもりで、部長の時は役員のつもりで考える

33 会社の常識に染まらない――定時で帰って社外の人と付き合う

「社内の常識は世間の非常識」ということを肌で学ぼう

34 自分の頭で考える人間になる――批判精神なき読書は有害

考える力を養わなければ、読書は有害ですらある
 ▼
読書で得た知識を、現場の仕事にあてはめてシミュレーションしてみる
良書は何度でも何度読み返しても、新たな発見、新たな教訓をくみ取ることができる
・散るぞ悲しき栗林忠道 梯久美子著 新潮文庫
・驕れる白人と闘うための日本近代史 松原久子著 文春文庫
・プロフェッショナルマネジャー ハロルド・ジェニーン著 プレジデント社

35 不本意な部署で課長になったら――器を大きくするチャンスと思え

これは覚悟しておいた方が良い
 ▼
だが、「経営力」と「社員力」の奥深さを学ぶことができる
 ▼
2、3年の廻り道など取るに足らない

36 課長に向いていないと思ったら――君らしくあれ

自分は自分であり、それ以上でも以下でもない!

37 家族はかけがえのないもの――「絆」の強さは過ごした時間に比例しない

家族を心底、愛していれば大丈夫!!!

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