メモ
2007年10月1日時点の法令に基づいています。
人事担当者が「知っていて当たり前」のことが書かれています。
逆にここに書かれていることを知らないという人事担当者がいたら、その会社の人事・労務管理は非常に危ういです。
この本は、人事というよりは、その他のとりわけ管理職が一読しておいた方がよい内容です。
意外と知らない「常識」が載っています。
恐いのは、ここに書かれていることを守っておらず、労働基準監督署に駆け込まれて、調査が入ってしまうことでしょう。
いろんな意味で己の身を守るために、読んでおいたほうがよい本です。
どこを読むか
各章にキモが設けられていますので、サーっと読む場合はここを読めば良いです。
◎募集・採用に関するルール
◎労働基準法に違反する労働契約は無効
◎労働契約の締結に当たっては労働条件を明示
◎原則、労働契約は3年を超えてはけない
◎明示された労働条件が実際と異なる場合、契約を解除できる
◎試用期間は3カ月から6カ月の間で設定すべし
◎労働時間とは「会社の指揮管理のもとにある時間」のこと
◎所定労働時間と法定労働時間の違い
所定労働時間=会社で定められている労働時間
法定労働時間=労働基準法で定められている労働時間
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使用者は労働者に、休憩時間を除き、1週間に40時間、1日8時間を超えて労働をさせることはできない
◎法定労働時間を超えて働くと時間外労働になる
時間外労働=1日または1週の法定労働時間を超える労働
なお、所定労働時間が7時間である場合、法定の8時間労働させても、時間外労働とはならない
◎時間外労働・休日労働ができる条件とは
1.時間外・休日労働協定による場合
2.災害等の臨時の必要がある場合
3.公務による場合
◎時間外労働・休日労働・深夜労働に割増賃金が必要
深夜労働(午後22時〜午前5時)
◎時間外・休日労働協定【36協定】
◎休憩時間とは?
◎休憩時間には3つのルールがある
1.途中付与の原則
労働時間の途中に与えること
2.一斉付与の原則
一斉に与えなけらばならない
3.自由利用の原則
自由に利用させなければならないこと
◎休憩時間の長さは労働時間によってきまる
8時間を超える場合、少なくとも1時間
6時間を超える場合、少なくとも45分
6時間以下の場合、与えなくてもよい
◎休日と休暇の違い
休日=労働契約において労働義務を負わない日
休暇=労働義務のある日に労働義務が免除された日
◎毎週1日、または4週で4日以上の休日が必要
◎休日は何曜日でも構わない
◎休日の単位は0時から24時まで
◎休日振替と代休
休日振替=事前に労働日と休日を変更しておくこと
→休日に労働させるわけではないので、割増賃金は発生しない
代休=休日に労働させた後に、その代償として以後の特定の労働日を休日とするもの
→割増賃金が発生する
◎管理職や監視の仕事をする人は、労働時間の制度が適用されない
肩書などの名称にはとらわれず、実際の業務に即して判断される
◎労働時間制度で労働時間を削減する工夫
◎有給休暇とは?
◎パートなどの短時間労働者にも有給休暇はある
◎労働者の時季指定権と使用者の時季変更権
◎会社が計画的に有給休暇を取らせることができる計画年休
◎有給休暇中の賃金は?
◎有給休暇の時効は2年
◎賃金とは、労働の対償(見返り)として支払われるもの
◎賃金支払いの5原則
◎出産・災害など非常時には前払いも認められる
◎会社の都合で休ませる場合は、休業手当が必要
◎出来高払い制でも一定の賃金は保証される
◎最低賃金を下回る賃金は違法!
◎産前6週間産後8週間の休業がある
◎妊娠中の女性を軽易な業務に転換しなければならない
◎妊産婦に時間外労働・深夜労働等をさせることはできない
◎育児時間を与えなければならない
◎生理休暇を与えなければならない
◎女性の坑内業務は限定的に認められる
◎母性機能に有害な業務への就業制限がある
◎年少者を使用するには証明書が必要
◎親権者・後見人は未成年者に代わって労働契約を締結できない
◎深夜業は原則禁止
◎従業員10人以上なら就業規則が必要
◎作成・変更の際は労働者から意見を聴く
◎絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項
◎就業規則は労働者に周知すべし
◎就業規則は労働協約に反してはならない
◎原則、就業規則の不利益変更はできない
◎合理的な理由がなく、社会的にも認められない解雇は無効
◎解雇制限
◎解雇をする場合、30日前に解雇予告が必要
◎解雇予告をしなくてよい者
◎労働基準監督官は司法警察官なのです
◎労働基準監督署の調査とは
◎違反の事実を申告した労働者を解雇してはいけません
◎労働基準監督署の調査が入ったら
目次
第1章 「ウチは”美人”を採用します」…そんなのアリですか? 募集・採用のルール
美人事務員さん募集中/即、採用決定!/労働基準法は”採用”には触れていません!/「美人&美男子募集」ならOK?/晴れて?田中建設の一員に
第1章のキモ ◎募集・採用に関するルール
第2章 その給料、最初の話と違うじゃん 労働契約のルール
労働条件を口頭で…/労働条件通知書と労働契約書はトラブル防止に必須!/1年間の試用期間は長すぎる?/最初は25万円って言ってたのに!これって虚偽広告!?/求人票は、あくまで”目安”/試用期間の長さに制限はないが…/試用期間中は解雇し放題!?/契約と事実が異なれば、即時に契約を解消できる/ナナ、総務課へ配属
第2章のキモ ◎労働基準法に違反する労働契約は無効 ◎労働契約の締結に当たっては労働条件を明示 ◎原則、労働契約は3年を超えてはけない ◎明示された労働条件が実際と異なる場合、契約を解除できる ◎試用期間は3カ月から6カ月の間で設定すべし
第3章 サービス残業と持帰り残業はどちらがお得? 労働時間・時間外労働・割増賃金のルール
亭主元気で留守がいい!?/所定労働時間と法定労働時間/法定労働時間を超える労働時間は時間外労働に/清掃時間は労働時間?/時間外労働は原則禁止!?/時間外労働・休日労働をするには「協定」が必要/10年前の36協定/時間外労働には限度がある/さて、ナナの割増賃金は?/サービス残業VS持ち帰り残業
第3章のキモ ◎労働時間とは「会社の指揮管理のもとにある時間」のこと ◎所定労働時間と法定労働時間の違い ◎法定労働時間を超えて働くと時間外労働になる ◎時間外労働・休日労働ができる条件とは ◎時間外労働・休日労働・深夜労働に割増賃金が必要 ◎時間外・休日労働協定【36協定】
第4章 休憩時間にパチンコに行くのはマズイのか? 休憩時間のルール
お昼休みにパチンコなんて…/休憩時間は自由だろ!/休憩時間の3つのルール/休憩時間の行動を制限するためには…/休憩時間の長さも、法律で定められています/お昼の電話当番は休憩時間か、労働時間か/小山君の処分
第4章のキモ ◎休憩時間とは? ◎休憩時間には3つのルールがある ◎休憩時間の長さは労働時間によってきまる
第5章 接待ゴルフや社員旅行は休日出勤になるのか? 休日のルール
休日の接待ゴルフ/身内にはお小遣いかぁ…/「週休制の原則」−週休二日制の会社はなぜ多い?/変形週休制は、4週間に4日休みを与えればOK/日曜日は休みでないとマズイのか?/休日手当はおいくらですか?/休日振替と代休はちがうのです/そもそも接待ゴルフは休日出勤になるのか?/社員旅行は、休日出勤?
第5章のキモ ◎休日と余暇の違い ◎毎週1日、または4週で4日以上の休日が必要 ◎休日は何曜日でも構わない ◎休日の単位は0時から24時まで ◎休日振替と代休
第6章 残業が多いヤツは管理職にしてしまえ!? 管理職の労働時間等のルール
管理職がイッパイ!/管理職に残業代はいらないのか?/労働時間に関する規定が適用されない人とは/管理職にも深夜労働の手当ては必要/究極の選択
第6章のキモ ◎管理職や監視の仕事をする人は、労働時間の制度が適用されない ◎労働時間制度で労働時間を削減する工夫
第7章 釣り三昧のハマちゃんがクビにならない理由 年次有給休暇のルール
会社を休んで魚釣り?/釣りをしててもお給料が出る有給休暇/有給休暇は、何日もらえる?/有給休暇がゼロになることも…/お前の有給休暇は、月に一回だ!/時季指定権と時季変更権/パートタイマーにも有給休暇はあります/有給休暇は2年の命/有給休暇のご利用は計画的に!/ところでハマちゃんはどうなった?
第7章のキモ ◎有給休暇とは? ◎パートなどの短時間労働者にも有給休暇はある ◎労働者の時季指定権と使用者の時季変更権 ◎会社が計画的に有給休暇を取らせることができる計画年休 ◎有給休暇中の賃金は? ◎有給休暇の時効は2年
第8章 ウチの会社は「完全歩合制」ですけど何か? 賃金支払いのルール
あれ、給料が振り込まれてない…/賃金支払いの5原則/給料の前払いが要求できるケース/完全歩合制?/完全に歩合なんてあり得ない!/待っていた営業マン
第8章のキモ ◎賃金とは、労働の対償(見返り)として支払われるもの ◎賃金支払いの5原則 ◎出産・災害など非常時には前払いも認められる ◎会社の都合で休ませる場合は、休業手当が必要 ◎出来高払い制でも一定の賃金は保証される ◎最低賃金を下回る賃金は違法!
第9章 労働基準法は女性の味方!? 女性雇用のルール
男性は産休を取れないの?/産前6週間後8週間の休業/残業や休日出勤もパスOK/勤務中でもミルクの時間/生理休暇でも給料は必要か/坑内労働や重量物を扱う仕事も制限されます/ハマちゃんが育児休業!?
第9章のキモ ◎産前6週間産後8週間の休業がある ◎妊娠中の女性を軽易な業務に転換しなければならない ◎妊産婦に時間外労働・深夜労働等をさせることはできない ◎育児時間を与えなければならない ◎生理休暇を与えなければならない ◎女性の坑内業務は限定的に認められる ◎母性機能に有害な業務への就業制限がある
≪年少労働者保護のルール≫
◎年少者を使用するには証明書が必要 ◎親権者・後見人は未成年者に代わって労働契約を締結できない ◎深夜業は原則禁止
第10章 社長が金庫にしまう秘密のモノ 就業規則のルール
会社のルールブック”就業規則”/就業規則に記載しなければいけないこと/就業規則、本当にあるの?/就業規則を隠してはイケマセン/社員向けの就業規則は、パートタイマーに適用されるのか?/20年前の就業規則は、使えますか?/就業規則、理想と現実
第10章のキモ ◎従業員10人以上なら就業規則が必要 ◎作成・変更の際は労働者から意見を聴く ◎絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項 ◎就業規則は労働者に周知すべし ◎就業規則は労働協約に反してはならない ◎原則、就業規則の不利益変更はできない
第11章 「クビだ!」と言ったら負けのルール 解雇のルール
「お前なんか辞めてしまえ」/いきなりクビはマズイでしょ…/解雇は30日前までに/社長には見えない従業員のホンネ/やっぱり、ここが好きなんだ
第11章のキモ ◎合理的な理由がなく、社会的にも認められない解雇は無効 ◎解雇制限 ◎解雇をする場合、30日前に解雇予告が必要 ◎解雇予告をしなくてよい者
第12章 労働Gメンは、窓の灯をチェックする 労働基準監督署の調査の話
怪しい車のカッコいいお兄さん/総務課長の意外な正体/お兄さんの正体/労働者名簿を見せてください/犯罪捜査もできる監督官/全部、膿を出してしまえ/是正勧告、そして再生
第12章のキモ ◎労働基準監督官は司法警察官なのです ◎労働基準監督署の調査とは ◎違反の事実を申告した労働者を解雇してはいけません ◎労働基準監督署の調査が入ったら
≪労働基準法の罰則≫