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「未来の働き方を考えよう」内容の要約と紹介:ちきりん

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概要

2013年6月15日第1刷。

リンダ・グラットン「ワーク・シフト」を読んでから、本書を読むと良いと思う。つながりがよく見えるようになる。

かりに本書をさきに読んだとしても、あとで「ワーク・シフト」を読むことをお勧めする。

なお、リンダ・グラットン氏はロンドン・ビジネススクール教授。また、Thinkers 50の2011年では12番目だった。Thinkers50は「最も影響力のある経営思想家」トップ50人を隔年で選出する取り組みである。

いずれの本も訴える内容について、同じである、と言ってよい。ちきりん氏は経験談や自身の思うことを述べているのに対して、リンダ・グラットン氏は学問的な裏付けをもとに将来を予測し、描き出される未来から現在を置きなおした場合に何が必要かを書いているという違いはあるが。

リンダ・グラットン氏は、近い将来、仕事環境が劇的に変化する可能性が高いため、仕事の幅が現在のままでいると、文字通り時代に取り残される事になりかねないから、今のうちに複数のスキルを身に付けておくのが賢明だろうと説く。(もっとも、これは主張の一つにすぎないが)

ちきりん氏は、将来に対する考えはリンダ・グラットン氏とよく似ているようで、それを前提に日本の場合ではどうだろうかと考えている。

どう考えているかというと、一つの切り口が「世代」である。

具体的には団塊の世代より上、とそれより下。団塊の世代より下の中でも、就職氷河期以前と以後とで分けて考えている。

そして、団塊の世代は「何とか逃げ切れるであろう世代」、それより下は「難しいであろう世代」、その中でも就職氷河期以降の世代は「そもそも働き方の考え方を根本的にみなさないとエライことになるかの世がきわめて高いだろう」というように考えているようだ。

目次

はじめに
序章   ”働き方本”ブームが示すモノ
時代を映すビジネス書ベストセラー
働くことの意味を問い始めた若者たち
「ワーク・シフト」の世界的ヒット

第一章 現状維持の先にある未来
■延び続ける定年
70歳まで働くということ
■家族の形が変わる
“イクメン”どころの騒ぎじゃない時代
「家庭と仕事の両立」は男女共通の課題へ

第二章 世界を変える3つの革命的変化
■産業革命に匹敵する社会の変化?
革命と呼ばれる条件
■パワーシフトその1 大組織から個人へ by IT革命
優位性を失う大企業
国家を超え始める企業と個人
個人の意思で選べる未来
■パワーシフトその2 先進国から新興国へ by グローバリゼーション
通用しなくなる国内だけの論理
ホワイトカラーの仕事も新興国へ
圧倒的な頭数のパワー
逆流するイノベーション
■パワーシフトその3 ストックからフローへ by 人生の長期化
「一生ひとつの仕事」は非現実的
ストック型からフロー型へ
人間関係もストックよりフロー
生き残った人たちが支えあう仕組み!?

第三章 新しい働き方を模索する若者たち
■惜しげもなく大企業を辞める若者
大企業で働くという合理性の毀損
スゴイと思えない大人たち
■間欠泉的キャリアを選ぶ
ポイントは需給ギャップ
“手に職”の罠
■海外で働く若者たち
■ミニマムに暮らすという選択
お金がなくても生きていける日本
不動産も子どもも要らない
■「働くこと」の意味が変わる

第四章 「ふたつの人生を生きる」
■40代で働き方を選びなおす
職業人生は二回選ぶものと考える
パッケージ旅行と自由旅行
二回目だから選べるオリジナル人生
机上の検討でいいから、一度は考えてみよう!
■ちきりんの選択&働き方を選びなおした人たち
学びを貢献に変える後半人生
専業主婦にとっての後半人生
■就活は40代の方が巧くいく
本気のワークライフバランスを実現
「ゆるやかな引退」という選択
いろいろなプチ引退

第五章 求められる発想の転換
■1.お金に関する発想の転換
支出マネジメントが引退可能年齢を決める!
多様化する世帯構成
死ぬまでにお金に困らない人=寿命の短い人
■2.寿命に関する発想の転換
人生の有限感
「いつか」ではなく「今」やろう
人生があと10年だとしたら?

終章 オリジナル人生を設計するために
■ステップ1.手に入れたい人生を明確にしよう!
やりたいことが明確になるという幸運
恵まれないほど考える機会が得られる
能力や環境とは無関係!
■ステップ2.複数の将来シナリオをもとう!
キャリア形成・5つのシナリオメソッド
数年ごとにシナリオを選びなおす
■ステップ3.市場で稼ぐ力をつけよう!
市場から稼ぐ時代の復活
稼げない人になるリスク
ちょっとした工夫で市場は学べる

あとがき

本書の出発点

「いつまで働くのだろうか」というのが、というのが本書の出発点のようだ。
いつまでどのような形で働くかということが、重要な判断事項のはずにもかかわらず、
 ▼
雇用年齢延長の背景は、単なる財政問題に過ぎない。
年金の積み立て不足というテクニカルな理由で、働き方が決められていくなんて、妙な話だとは思わないか?
 さらに
年金の支給開始年齢はさらに引き上げられ、70歳まで働くことになる可能性も高い
延々と続く撤退戦のようだ
 ↓
働き方に関するコントロールを取り戻す方法はないのか
定年延長は先進国共通の動き
どの国も日本同様に高齢化や大幅な財政赤字など深刻な問題を抱えている
 かつ
先進国の人たちは、グローバリゼーションやテクノロジーの深化によって、その働き方は新たなチャレンジを受けている
それは、新興国の人や、新しいテクノロジーによって仕事の多くが置換されつつあるからである
 ▼
次の10年で、働き方は大きく変わるだろう、それは本質的な変化となるはずである
いい大学に進み、いい会社に入る、といった成功パターンはまだ残っているが、それだけでは安心できないと感じる人も増えている
従来とは異なる新しい働き方を、自由に考えることで、見つけられるはずである

延び続ける定年

いつまで働くのか?という問いに対して、「定年まで」という回答は便利である。
 だが、
政府が年金の支給開始年齢を引き上げざるを得ないため、雇用の延長を推進している
いまは65歳まで雇用義務が順次引き上げられようとしている
そうしないと、定年から年金の支給開始までに無収入の期間が生じるからである
 かといって
支給開始は65歳で止まるとは思えない
将来的には70歳まで働かなくてはならなくなるかもしれない
つまり、「定年」が延び続けている
 ▼
70歳まで働く人生
自分は本当にそんな年齢まで働きたいのか?

家族の形が変わる

日本の年齢人口の構成が変化している
 ▼
1950年~1970年にかけて20代と30代は大幅に増加した
この世代は、消費意欲の高い層である
この層が主な購入者である財はサービスは、たとえば食料品や外食、衣類、教育サービス、エンターテインメント、住宅など多岐にわたる
 ▼
この層が1980年以降まったく伸びていない
これが「失われたウン十年」のベースとなっている
つまり、最も消費意欲の高い層の人数が横ばいでは、企業があらゆる手のマーケティングを尽くしてもなかなか売り上げが伸びないのは当然
 ▼
そして、この層が今後は減っていく
2010年~2050年までで、この層が使うお金の総額は▲45%にもおよぶ劇的な減少率になる可能性がある
そうなると
企業は購買欲の強い国へ進出をせざるを得ない
結果として、日本人が海外へ活路を見出すようになる可能性がある
 ▼
家族の形に変化が出てくるかも

産業革命に匹敵する社会の変化

1.大組織から個人へ IT革命
ITの進化は、圧倒的な力を持っていた国や大企業などの組織から、個人や個人が集まっただけのネットワークへパワーシフトを起こしている
 たとえば
ウィキリークスの登場や「アラブの春」に見られた民衆の力
 ▼
ビジネスにおいても大企業の優位性は急速に弱まっている
個人や小企業が大きな組織に対抗することが、以前に比べてはるかに容易になっている

2.先進国から新興国へ グローバリゼーション
日本や先進国で脅威と受け止められているこの言葉も、新興国では完全にポジティブな言葉である
 ▼
かつて
日本に生まれたというだけで、世界から見れば富裕層だった
だが
いまや先進国生まれという既得権益はまさに失われつつある
 ▼
ごく少数の先進国が、世界全体を牛耳るというパラダイム自体が終焉を迎えつつある

3.ストックからフローへ 人生の長期化
寿命が大幅に伸びる可能性
 ▼
医学の進歩により寿命100年の世界が訪れるかもしれない
 ▼
寿命が100歳の時代には、働き方も大きく変わるだろう
一生のうちにひとつの職業しか経験しないなどという人は珍しくなるだろう
 そもそも
50年もたてば世の中が大きく変わり、職業自体が不要になる場合がある
 たとえば、かつての代書屋やタイピストのように
 ▼
大学の卒業証書や資格など過去に手に入れた「ストック」
 から
その時々になんらかの価値を生み出し続ける「フロー」の力が重要になる
たとえば
 前者は長期間にわたって大企業で働いてきた人
 毎月、給与が振り込まれ、ボーナスや退職金があって、貯金がある
 だけど
 自分で稼ぐ力がない
  ▼
 人生が長くなると、貯金が減っていくことに不安でしょうがなくなる
 できるだけお金を使わない後ろ向きの老後を送ることになる

上記はクラウス・シュワブが「第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来」でも指摘していることである。

働き方を模索する若者たち

・大企業が提供していた価値に陰りが見え始めている
・大企業では手に入らない自由度や柔軟性を重視する人が増えている
・長く大企業にいる人の中で、ああはなりたくない、という人が多い一方、会社を辞めて楽しくやっている人が結構いることがわかってきた
 ▼
いきなり辞める勇気がなくても、二足のわらじを続ける人がいる
 また
若者の会社を選ぶ基準も変わってきている
 たとえば
  アメリカでは2010年に就職人気ランキングのトップにTeach for Americaという教育系NPO法人がなった

40代で働き方を選びなおす

提案「職業人生は二回ある」という発想をしてみよう
 ▼
旅行を例にしてみる
初めての海外旅行はパッケージ旅行になるだろうが、2回目には多少の慣れもあり、自由旅行を選択することがあるだろう
職業も同じである
 ▼
40代は、誰でもその後のキャリアパスがある程度見通せるようになっている
誰でも否応なく、人生の有限感と向き合わなければならない最初のタイミングである
だからこそ、ここで働き方をリセットし、人生の優先順位を改めて確認することに大きな意義がある

求められる発想の転換

1.お金に関する発想の転換
40代からオリジナル人生に移行するなんて…
踏み切れる人と踏み切れない人の差は
 ▼
これまで働いてきた環境の違いからくる不安感の差が大きい
保守的な業界の安定企業に勤める人ほど、解雇や失業、転職を怖がっているように見える
未経験であるがゆえに、未知の事に対しての不安がさきだつ
また
収入が多ければ早期引退できるのにというのも、大きな間違い
収入が多ければ、支出も膨れ上がってしまう
 ▼
早期引退の可否を左右するのは
収入ではなく、支出の多寡である

2.寿命に関する発想の転換
スティーブ・ジョブズ氏や堀江貴文氏、孫正義氏などは、人生の有限感を強く持っているように見える
そういった人たちは、くだらない不安を持たない
 ▼
10年後に人生が終わっても、後悔しない、本当に楽しい人生だった、やりたいことはすべてできたと思える生き方をしようと決めた

オリジナルの人生を手に入れる方法

1.手に入れたい人生を明確にしよう
やりたくないことなら、いくらでも言える、という人はいる
 ▼
やりたいことが明確になっているという人は、そこまで多くない

2.複数の将来シナリオをもとう
ひとつの職業の中にも、多岐にわたる働き方のバリエーションが存在している
 ▼
数年ごとにシナリオは選びなおす

3.市場で稼ぐ力をつけよう
なるべく市場に近いところで働くことが重要
 ▼
個人では全く評価されない、名刺がなくては食べていけない人になってしまったら、組織にしがみつくしか生きていく方法がなくなる

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